JCFは、福島の子ども達を被ばくから守るために、外部・内部被ばくを測定し、食べ物など生活管理を行う事、
継続的かつきめ細やかな健康診断を行なわなければならないと考えています。
ベラルーシ共和国ゴメリ州ベトカ地区は、原発から約180キロ離れていますが、高濃度の汚染に見舞われ、強制移住によって地図から消された村が58ある地域です。事故から25年経った現在でも、村人2万人の内部被ばく量測定は、半年に一回行われ、数値の高い住民は医師たちによって見守られています。地区に15在る診療所では、食品汚染について注意を呼びかけるポスターが貼られ、フェリシェル(保健師)による健康管理が、きめ細やかに行われています。
福島第一原発事故は、チェルノブイリ事故とは違いますが、子ども達に対するリスクを回避する手段を考える時、参考になる点が多々あります。
今夏、7月~8月に、㈱カタログハウスと茅野市が、福島の子ども達を長野県でゆっくり過ごしてもらおうと、290組813人を招待し、保養「ふくしまっ子の夏休み」を行いました。JCFは保養に参加された方への事前アンケートをして、頭痛・腹痛・鼻出血を訴える子ども達がいたことから、チェルノブイリ支援のときから応援していただいている信州大学医学部附属病院小児科に診察を依頼し、73家族130人について診察していただきました。 検査項目は、問診・尿検査・血液検査でした。甲状腺機能障害も疑われたことから甲状腺ホルモン検査も行いました。
甲状腺ホルモンについては、基準値をわずかに外れた子がいましたので、その結果を合わせて公表しましたところ、一部のマスコミで、あたかも甲状腺機能異常があったかのような報道がありました。それによって、福島のお母さん達が、パニックに陥っていると聞き、心を痛めています。いつ健診を受けられるかもわからず不安を募らせているお母さん達の気持ちに添いたいと思っています。
今回は、夏休み保養に来た子ども達が対象でしたが、より多くの子ども達が地元でより早い時期に健診を受けられようにしていきたいと検討しています。
*検査結果については、日本小児内分泌学会、東日本大震災の関連情報のHPをご覧ください。 http://jspe.umin.jp/pdf/statement20111012.pdf