ひとり一人とつながる
1991年1月に設立されたJCF/日本チェルノブイリ連帯基金。時は流れ、多くの人々が活動の一端を担い、関わりながらここまで来ました。長野県松本市に事務局を置き、喧噪の様に流れていく社会の潮流とは、少し離れた位置にあるように思います。その中で、組織としてのNGO論も持たずに継続しているのは、一貫して持ち続けている意思があります。
今の地球上に暮らしている人々を、国・民族・性別などすべてに分け隔てる事無く向き合い、共に支え合おうとする気持ちです。過去の歴史を引きずらず、今を共に生きようとする現場への臨場感は、いつの時も根底にありました。放射線災禍に見舞われた人々、戦火に怯える人々からは、生きていく“いのち”の確かさを学んでいます。実際に向かい合って語り合えば、言語の違いなど飛び越えることができました。
そして、プロジェクト後には、困難な状況にある社会や人々の生活が、関わった私たちひとり一人にとって他人事ではない現実感をもって内面化されるのです。自分の目で見て、自分で考える。個人の自立と市民活動の共通点はここにあるのだと思います。
ロシア・ベラルーシ・ウクライナ・イラク・福島そして写真展や絵画展でつながったたくさんの方達と共に歩いた32年間は、信州の田舎から、確かに一市民としての成長を促してくれました。
今後も、細くとも確実に、ひとり一人と繋がる活動を続けていきたいとおもいます。
理事長:神谷 さだ子(かみや さだこ)
理事長プロフィール
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