カレンダーが、その日に近づくと波が押し寄せるように関連報道が増える。しかし、自分の事として、私たちはどこまで災害に向き合っているのか、考えさせられた。
2014年に松本市に避難してきた方のお話しを効く会に参加した。訥々と語る2011年から、今までの家族史。地震と福島第一原発から上がる噴煙に事態を理解できないまま、新築の家、仕事を離れた。
長男は、福島からやって来たと言えず、途中滞在した東京から、と答えていたそうだ。県人会を立ち上げ、交流の場を設けたが、お互いの心の内は、封印したままだった。
あれから9年経った今、避難ではなく移住したと思っている、と言う。
自然災害はもちろん、原発事故による不条理な“移住”だと思う。ここ松本で、どう繋がっていくか、私たちは共に生きているのだから。