イラクの医療危機を探る旅10  

~民間との協力や保健分野への投資の呼び込み~

 

保健省は資機材やサービスの拡充のためにビジネスマンにもその一旦を担ってもらおうとしている。

 

2019年、政府は医療分野に無縁なビジネスマンにも病院の所有を認める決定を行った。保健分野の責任者はこの取り組みによって2019年の上半期におけるイラク国内の病床数が4%(2000床)増加したと評価している。

 

また、国家投資委員会(الهيئة الوطنية للاستثمار/National Investment Commison)は海外からの医療分野への投資を呼びこむために、投資家に対するインセティブを与えることにした。それには10年間の免税措置や、外国人労働者の雇用の容認認、関税措置の免除、資本や利益の本国送還、ビザや在留手続きの緩和、借地権などが含まれている。

 

しかし、財政的、政治的不安定なイラクでは、こうした取り組みにも関わらず医療分野への外国投資を呼び込むことは非常に難しい。

 

イラク政府が抗ガン剤を製造するためにモスルに建てた工場が、2017年砲撃によって無残に破壊された写真の痛ましさはこの国に対する投資リスクを人々の心に刻み付けた。
( ※動画で破壊の深刻さを御覧いただけます。https://www.youtube.com/watch?v=77ptjcxA2qU

 

さらに安定した金融部門はなく、リソースを巡る政府内の派閥争いが事業をすすめるにあたり大きな障害として立ちはだかる。

 

アブドル・サッダーは「保健分野に対する海外投資はない。」と述べる

「海外投資を呼び込むには治安の安定化、また電気などのインフラが充実していることが不可欠だ。さらに我々の金融部門はグローバルファイナンスに対応できる体制を整えていない。国境すらコントロールできていない。我々が抱える問題には政府ですらコントロールできない問題がたくさんあるのだ。」

 

 

 

※2020年1月の時点では、県知事が同薬品工場の復興の遅れに対して懸念を抱いていることが報じられています。

https://alsabaah.iq/19630/%D8%AA%D8%A3%D9%87%D9%8A%D9%84-%D8%A3%D9%83%D8%A8%D8%B1-%D9%85%D8%B9%D9%85%D9%84-%D9%84%D9%84%D8%A3%D8%AF%D9%88%D9%8A%D8%A9-%D9%81%D9%8A-%D9%86%D9%8A%D9%86%D9%88%D9%89

 

 

 

これはロイター通信が作成したイラクの医療事情レポートを翻訳したものです。

イラクの医療事情問題の把握にとても役立ちます。

 

アラビア語版
https://ara.reuters.com/article/topNews/idARAKBN20P1ZF

英語版
https://www.reuters.com/investi…/special-report/iraq-health/

前回までの記事

1 http://jcf.ne.jp/archives/4456
2 http://jcf.ne.jp/archives/4504
3 http://jcf.ne.jp/archives/4521
4 http://jcf.ne.jp/archives/4565
5 http://jcf.ne.jp/archives/4584
6 http://jcf.ne.jp/archives/4591
7 http://jcf.ne.jp/archives/4643
8 http://jcf.ne.jp/archives/4655
9 http://jcf.ne.jp/archives/4688

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