JCFでは今年から本格的にモスル医療復興事業に乗り出すことになりました。
イスラム国との衝突で完全に壊滅状態になったモスルの医療。ここで私たちはモスルの小児がん・白血病支援を行います。
どういうことを行うかと言いますと、モスルでしっかりとした小児がん・白血病の診断を行える医療体制を作っていきます。
このことについては追って詳しく。

事業を始めるにあたり、現地職員がバグダードにある保健省を訪問。
少しバグダードの様子を報告してくれました。

イラクでは昨年の10月から政府の汚職や公共サービスの低下に対するデモが多発し、日本でも報道されています。
現在でもそのデモは継続しており、デモ隊にもかなりの数の死傷者や負傷が出ています。

写真中央に見える建物がデモの象徴となっている建物、通称「ジャバル・ウフド」
ここにデモ隊が横断幕を掲げたりしています。

この建物はインド系の会社によって80年代に建設された14階建てのビルで、1階は駐車場、その他はショッピングモール、最上階にバグダードのパノラマを楽しめるトルコレストランがありました。ジャバルウフドという通称はこのトルコレストランの名称から来ています。かつては商業の中心地として栄えましたが現在は廃墟になっています。

BBCの記事によると、1991年の湾岸戦争時に鉄骨に被害が出るほど米軍の攻撃に曝されたようですが、90年代の後半には修復し、イラク政府の青年・スポーツ局として利用されています。また2003年のイラク戦争では、この建物に立てこもっていた武装勢力を攻撃する米軍の姿が全世界で報道されたとのこと。ある意味イラクの歴史ある建物と言えます。

ちなみに2009年11月には現地ではこの建物が放射能に汚染されているとの報道もなされています。
環境省の放射線防護センターによると、「汚染は軽度で限定的、建物全体のうちの3階部分のみである。既に除染を行った」とのこと。
昨年2019の11月にも、この建物のこうした背景があったことからデモ隊の一部が体調不良を訴え、放射能が原因であると噂され、イラク政府保健省が改めて放射能汚染を否定をする声明を出しています。

この建物が気になってちょっと調べただけでもこういう情報がずるずる出てくるところが凄いです。。。

当初はデモ隊のスローガンが目立っていたのですが、イランとアメリカの軍事衝突危機以来、民兵組織を中心としたグループによりイラクからの米軍退去を訴える場となりました。しかしデモ隊からの反発に会い、現在ジャバルウフドは再びデモ隊の手に戻ったようです。

バグダード市内をながすタクシーの運転手さんの話によると「デモは長く続いているが、結果を出せていない。デモで仕事も中断するし、どうだろうね。」とのこと。

市民が負傷する事態が一刻も早く収束し、イラクの真の復興のために政府と市民が手を取り合える日が来ることを心から願っています。

ピンピンひらり

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