国連人権高等弁務官事務所はイラク国内における難民キャンプでの子どもの死亡件数が1500に達したと発表しました。この発表に伴いイラク議会は人道に対する罪であるとしてイスラム国を非難しています。
またイラク難民省は議会に対し速やかな難民の救済を要求し、また内閣府に対して避難民となった全ての家族に対し毎月100万ディナール(約10万円)を支給するよう要請したということです。
http://alghadpress.com/ar/NewsDetails.aspx?NewsID=23609
できるだけ早く実現して欲しいと思います。
1500人の子供がキャンプで死亡しているというのは非常にショッキングです。しかし昨日ブログでお伝えした難民キャンプの様子を見ると、とても子どもが生きていける環境ではないことがわかります。アンカワ地区でもコンテナが支給され状況が改善されたとはいえ、停電のため電気の使用時間は限られており、しっかりと暖をとることができないということです。
しかし悪い報せばかりではありません。
アインカワ地区の難民キャンプに関してはようやく本格的な政府の支援が始まるのではないかとの声が聞こえてきました。ナガム先生によるとマルチシモーネ教会のキャンプクリニックが正式に中央政府の管轄に置かれ、保健省から医師の派遣や薬品供給がなされるかもしれないということです。これまで外部からの支援で成り立っていたクリニックの環境の改善を期待させるような嬉しい報せではありますが、いかせんイラク行政はなかなか機能しないこともあり、いつ始まるのかはまだ分らない状態です。それまでの期間、不足を埋められるように私たちも尽力したいと思います。出来る限り早く中央政府の支援が届くことを願います。
もう一つアンカワ地区の難民の生活に関するニュースをお伝えします。
アンカワ地区の難民、仕事を始める
アンカワ地区の難民が家族の糧を得るべく仕事を始めている。その多くは路上での野菜売りや果物売りである。
ムハンナド・ハビーブ「ここに避難してから仕事を探したが見つかりませんでした。そこでもう自分たちで野菜を売ってみようと決心してやってみました。良く売売れています。」
アンカワ市民によれば、難民が露店を出し始めてから野菜や果物の値段が非常に安くなったため、彼らは既存の店ではなく難民が営む店から野菜を購入するようになったという。
また難民の一人はこう語る。「私たちはバグディーダ(ナイナワー県東部)にいた時は最も質の良い野菜を扱うジャックという店がありました。その店がアンカワに店を開き非常に安い値段で売っていますから何百人というアンカワ市民が品を買いに来ます。」
http://www.ankawa.com/forum/index.php?topic=760009.0
どうやって野菜を仕入れてくるのか不思議ですが、とにかく彼らの逞しさや生きる意志の強さを感じます。