難民キャンプでは日々様々な問題が起こります。クルド自治区の人権委員会が難民キャンプで支給された食料の賞味期限が切れている、また衛生面に問題があると指摘しています。
アウザールキャンプの配給品に問題
「クルド自治区人権委員会によればアルビル県カスナザーン地区のアウザール難民キャンプでイラク難民省が配給した食料物資の一部が破損、また物資にネズミが混入していたためキャンプの住人が配給の受け取りを拒否することがあった。そこで委員会側が配給された食料が適切なものだったのか、また食料の貯蔵場所に問題がなかったか調査監視を行い、この件の責任の所在を明らかにする方針だ。現在アウザールキャンプにはキリスト教徒、ヤズィード教徒、シャバク教徒など約千家族が暮らしている。」ankawa.com
元記事には、ネズミが混入したとみられる写真が掲載されています。
もちろんこのような食料が配給されるようなことはあってはならないと思いますし、難民省は是正を求められて当然です。しかし昨日もお伝えしましたが、長い間イラクは行政がきちんと機能していません。それに加えて多くの難民を受け入れねばならない状況です。そのためひとえにこの問題の責任を難民省に押し付けることはできないと考えます。
クルド自治区だけでも難民の数は150万人に昇るとされています。クルド自治区の人口がおよそ800万人ですので、単純計算すると人口の2割近くに相当する難民がクルド自治区に避難してきたことになり、受け入れ側のキャパシティをとうに超えています。
また、受け入れ側が苦労する問題の一つに、避難民の子供が通う学校をどうするかという問題があります。クルド自治区の難民のうち5歳未満の子供は13万人、18歳未満の子供が34万4千人いるとされています。
ハムダーニーヤ地区の教育委員会は先日ナイナワー県やアンバール県からの避難民の子供たちにクルド自治区内の初等及び中等学校を割り当てる発表をしました。またイラク中央政府は避難民のための学舎となるコンテナの提供を約束しました。しかしクルド自治区とイラクの他県はクルド語とアラビア語で言葉が異なっており、また教育カリキュラムも異なるため授業は別に行われるなど、単に学校を割り当てるだけでは済まないのが現状です。
それ以外にも文具や教科書などの手配もしなければならずイラク政府、クルド政府共に文部省は大変苦労しているようです。
難民だけでなく受け入れる側も様々な問題に直面しています。
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