ハムドの2つの戦線
「政治はこの国のがんのようになっちゃってる。だから俺がここにいる理由は2つの戦線を戦うためだ。腐敗と自分のがんだ」
「デモに混ざって2か月くらい経つけど、改革を実現するため、保健状況改善してくれるまで、特にイラクではがんなどの病気を改善してくれるような改革を実現するまでは俺は故郷には戻らない」
「国の莫大な予算にも関わらず、それは保健分野の改善やがんのような深刻な病気に必要な治療を保証してくれなかった。ここ数年の間にイラクの保健分野は停滞してしまったんだ」
彼の情熱は、彼の付添人である叔父のアブー・マアスーマにも移り、彼は仕事を捨ててまでも、時間を割いてデモに参加するようになり、またハムドに付き添って彼の健康状態を確認しつつ、とこ屋仕事も手伝っている。
活動家であるファッラーフ・シャマリーはこう言う。
「アーディル・アブドル・マフディ首相を辞任に追いやったことが現時点におけるデモ活動の唯一の成果かもしれないが、むしろこれは本来であれば10年やそこらで実現するものではなかったものが実現したとも言えるのではないか。ハムドの姿と信念は彼と同世代の若者たちに想像を超える大きなモチベーションを与えている」
シャマリーは続ける「政府内外の権力者や責任者たちが恐れを抱くようになったことは、政府を追放することに匹敵する成果だ。人々がデモに集まって監視を続ける限り、如何なる責任者も義務を放棄することはできなくなった。それは例え数年後であっても変わらないはずだ」
「がんと戦う若者の姿は他の諸問題にとっても手本となるものだ。彼は彼の主張を通して「貧しさ」という名のがんや「欠乏」という名のがんとも戦っている。彼の一つの要求の中には様々なものが集約されているんだよ。国を良くするってのは権力者にとっては簡単な仕事じゃないけど、このような若者の信念や次世代の人々にとっては難しいことじゃないのかもしれんね」