イラク支援:アルビルの国内避難民視察

私たちJCFは年末から年始にかけてクルド自治区アルビルを訪問し、国内避難民の現状を視察してきました。

 

まず、これまで私たちが携わってきた難民キャンプの規模とは比較にならないほどの難民の数に圧倒されました。私たちが現在医療支援プロジェクトを行っているアルビルのアインカワ地区はもともと5万人の住民が住む地区ですが、昨年の8月にモスルやサハル・ニーナワー地域からおよそ5万人に及ぶ避難民がここに避難しています。現在はアインカワ地区のキリスト教教会(シリアンカトリック、シリアンオーソドックス、カルディアン等)が協力して、住居や食料、また医療支援を行い支援にあたっています。

 

しかし、わたしたちが視察した限り、あまりの難民の多さのために十分な対応ができていません。というのも私たちのカウンターパートであるマルチシムーニ教会は敷地内をテント埋め尽くしていたテントが撤去された後も、国内避難民の住居を用意するために様々な場所を借り上げて提供していますが、それは普通の賃貸住宅もあれば、結婚式場、また、それだけでは足りないので建設中の商業施設のビル内にコンテナを設置したり、ビルの内部に敷居を設けて避難民の住居としてあてがっている状況だからです。

 

アインカワ地区難民キャンプ地図

 

上記の地図に記載されている⑪アナーナースホールは結婚式場ですが、教会が難民の避難所として借り上げています。しかし教会が家賃を支払い続けることができないため間もなく難民は別の場所に移ることになっています。しかし難民の人々はより劣悪なところに移ることを危惧し、それを望んでいません。また⑨アインカワ・スポーツセンターではここ数か月は食料支援も滞っており、水などは付近の井戸から水を引き、住民でお金を出し合ってそれを運搬していました。

 

 

大規模な難民が一度に流入してきた場合、住居や食料問題に加えて医療も大きな問題となります。アルビルに避難してきた難民の多くが医療支援を必要としています。アルビル市内の病院でも治療を受けることができますが、アラビア語とクルド語の違いが問題であったり、治療は無料受けることはできても病院で手に入らない薬は自分で薬局に買いに行かねばならないため薬代や交通費かかり、ただでさえ苦しい難民の生活を圧迫しています。私たちJCFはこれまで培ってきた医療支援の経験を活かし、未だ緊急段階にあるクリニックに薬品を調達し、少しでも早く安定した医療が行われ、彼らの健康が維持、改善されるよう支援を行っていきます。

 

 

 

 

 

しかし、忘れてはならないのは、我々が支援しているのはアルビルのアインカワ地区という非常に限られた地域における難民であり、現在イスラム国の迫害によってにわかに注目を集めているキリスト教徒だけではないということです。2003年のイラク戦争以降、落ち着く間もなく泥沼化した治安により国内避難民の大多数を占めるに至ったのはムスリムの人々です。マイノリティではないゆえにあまり注目されない彼らのことや、またイスラム国支配下にいる避難民のことも含めて、私たちの死角にいる人に常に注意を払わねばならないと感じています。

 

最後に当団体の理事長、鎌田實のメッセージを皆様にお届けします。

 

 

JCFスタッフ

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