イラク:慢性的な給与の未払い問題

 

先日のブログの中で難民の一人が「日用品を買うためのお金も必要です。」と語ったことを紹介しましたが、今日はこのようなニュースが目にとまりました。

 

モスルから避難した公務員の未払い給与を支払いへ

「イラク中央政府文部省の職員がドホーク県(クルド自治区西部)を訪れ、ナイナワー県から避難してきた公立学校教職員250名に支払いが滞っていた給与の一部を手渡した。職員らは受給者名簿で彼らの名前が確認された後、4千から8千イラクディナール(400円から800円)を受け取った。しかし今回の給与の受取人名簿に名前が記載されていなかった職員は彼らの給与が学校や職場に残されたままである可能性が高いとし、ISISがそれを差し押さえることを懸念している。」ankawa.comより

 

給与の未払い問題は依然から市民を悩ませ続けている問題で、現在衝突が起こっているモスルだけに限らず他県でも生じていました。不安定な治安や行政の機能不全などが理由の一つとされています。一部の銀行では襲撃を恐れるため現金を引き上げるところもあるようです。また、比較的安全であるクルド自治区でもイラク中央政府からの送金が滞り職員への給与の支払いが滞ったことがありました。

 

実はリカア先生も前回イラクに帰国してからしばらく病院に勤務していましたが、その数か月分の給与が未払いであると話していました。特にリカア先生の出身地モスルは県庁が襲撃されて知事が避難して以降の5か月間、300名の県職員の給与が未払いのままだそうです。メディアの取材に応じた県職員は自分たち職員を見捨てて避難した県知事と県庁の防衛に当たらなかった中央政府にこの問題の責任があると語りました。県庁を占拠したISISは拘束した職員に対して給与の差し押さえを告げたとの報道もあり、給与を受け取れない公務員が増え、行政がますます滞ることが懸念されます。

 

また難民の流入によってクルド自治制政府から供給されるガスの価格が一本8千から2万5千ディナール(およそ800円からおよそ2500円)にまで高騰していると報道されています。難民キャンプのあるアインカワ地区は避難民の受け入れ先であることが考慮され6千ディナール(およそ600円)で売られているそうですが、難民ではないアインカワの一般市民もガスを求める列を作っているようです。

ガスを求めて並ぶ市民 ankawa.com

 

 

不安定な治安や円滑に進まない行政によって難民のみならず一般市民も厳しい状況に置かれています。

 

http://www.ankawa.com/forum/index.php?topic=759085.0

http://www.ankawa.com/forum/index.php?topic=759094.0

http://www.iraqpressagency.com/ar/archives/101968

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