イラクのキリスト教徒はどうなるのか?

 

バグダードにあるサイーダ・ナジャー教会のことを思い出します。この教会は2010年10月31日に襲撃され、多くの女性や子供、また聖職者が死傷しました[1]。また私は暴力の犠牲となったファラジュ・ラホー大司教[2]のことを、また同じく犠牲となったボーリス・イスカンダル神父[3]やラギード・カニー助祭[i]のことを思い出します。現在はどうかといえば、さらに状況は後退し、あらゆる事件が頻発しています。しかし、誰一人として動いてはくれません。

 

イラク人に対する敵対行為は2003年に始まり現在まで続いています。殺人行為、住人の強制移住を目論んだ爆弾事件、女性への暴力、財産の破壊や収奪といった犯罪はここ数年ずっと続いており、私たちの行く手にはかならずやこうした惨事が待ち構えています。

 

一体いつまで続くのでしょうか。一体いつまで血が流され続けるのでしょうか。サイーダ・ナジャーの悲劇では足りないのでしょうか。一体いつまで私たちは沈黙し、こうしたことを見続けねばならないのでしょうか。

 

イラクのキリスト教徒の状況は治安の面で最悪のレベルにまで崩壊し、さらに今度は民族や宗教の浄化や追放、あらゆる人々の生命やひっそりと生きるマイノリティの生存すら脅かすレベルに至ろうとしています。私たちは国際的正義を必要としています。イラク政府は真剣にとりあってくれません。キリスト教徒を代表する政治家や指導者たちは眠り続けています。彼らを総取り替えすることが急がれるほどです。

 

2014年8月6日、一発の砲撃によって悲劇は繰り返されました。住宅地に落ちたその砲撃によって、年若い娘アンアーム・アイシューウ・ボーリス、そして二人の少年デイビド・アディーブ・ヤアスとミーラード・マーズィン・ヤアスが亡くなりました。そして他にもたくさんの人々が負傷しました。何の罪があって彼らはこのような酷い殺され方をしなければならないというのでしょうか。イラクで起こっていることを前に世界はどこに姿をその隠しているのでしょうか。国連はどこにいるのですか。権力や椅子を巡り争い合う指導者たちはどこにいるのですか。

 

 

 

 

バン・ガーニム・ラフマー二―

 

 

 


[1] 2010年10月31日午後、6人の武装勢力がバグダード、カッラーダ地区のシリアン・カトリック教会「サイーダ・ナジャー」を襲撃し立て籠もった。イラク治安部隊が突入したが武装勢力側が自爆攻撃を行ったため当時教会内にいた聖職者や信徒、及び治安部隊構成員を含む58人が死亡し、78人が負傷した。

http://en.wikipedia.org/wiki/2010_Baghdad_church_massacre

[2] 2008年2月29日、モスル東部で何者かによって誘拐され、3月13日に遺体で発見された。

http://ar.wikipedia.org/wiki/%D8%B1%D8%BA%D9%8A%D8%AF_%D9%83%D9%86%D9%8A

 


[i] 2007年6月3日、モスル市内の教会前で他の2人の助祭と共に銃撃され死亡した。

ピンピンひらり

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