理事長ご挨拶

理事長:鎌田實 1991年1月、厳冬のチェルノブイリを訪れた私たちは、病に苦しむ子ども達のお母さんから「この子のいのちを助けてほしい」と懇願され、日本チェルノブイリ連帯基金を設立しました。以来、子ども達の健診、甲状腺疾患や白血病の診断の診断と治療のために日本への医師招聘研修による専門医の育成、医療機器・医薬品の供与を行ってきました。

更に、2004年からはイラク支援に取り組んでいます。戦火の下から避難した人々のために5つのプライマリー・ヘルス・ケア・センターを設立、避難民だけでなくクルド自治区の地元の方々の健康維持に貢献しています。

2011年3月の東日本大震災時に福島第一原発が爆発事故を起こしました。日本国内でも放射能災禍にある子ども達を守ろうと健診・保養・放射能測定活動を続けています。福島第一原発では、多くの作業員によって収束作業が進められていますが、放射能を封じ込める手段がありません。子どもの甲状腺がんも増え続けています。

2020年は、新型コロナウイルスに世界中がおびえています。若干ですが、イラクの国内避難民キャンプなどに感染対策の支援も検討しています。

JCF/日本チェルノブイリ連帯基金は、医療の科学的な知見を基に、市民の立場から暮らしを守る活動をめざしています。そして、科学といのちの相反する災禍の中にあって、今を生きていく力を皆さんと共に見つけていきたい、と願います。脅威・極限の縁から、私たちは学ぶ事ができます。それを皆さんと語り合っていくためにJCFは活動を続けます。

理事長:鎌田 實(かまた みのる)【医師・作家】


理事長プロフィール

医師・作家。1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。医師として地域医療に携わる。一方、JCFとしてチェルノブイリ原発事故後の1991年より、ベラルーシ共和国の放射能汚染地帯へ100回以上の医師団を派遣し、約14億円の医薬品を支援。

2004年にはイラク支援を開始し、イラクの4つの小児病院へ毎月300万円の薬を送り、難民キャンプでの診察等を実践している(JIM-NET)。 JCFの活動としてイラク国内避難民支援に取り組み、アルビルにあるPHC(一次医療施設)にて健康講話会を実施。 国内で東北をはじめ、各地の被災地に足を運び、多方面で活躍中。

2009年 ベスト・ファーザーイエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。 2018年 紙芝居「かまた先生のアリとキリギリス」(作画スズキコージ氏)第57回五山賞特別賞を受賞。

現在

諏訪中央病院名誉院長、JIM-NET代表兼事務局長、東京医科歯科大学臨床教授、東海大学医学部非常勤教授

主な著作

  • がんばらない
  • あきらめない
  • 70歳、医師の僕がたどり着いた 鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」(集英社/2019年ベストセラーに)
  • 『イスラム国』よ
  • 1%の力(河出書房新社)
  • 白い街 あったかい雪
  • ほうれんそうはないています(ポプラ社)
  • 認知症にならない29の習慣(朝日出版社)
  • アハメドくんのいのちのカレー
  • 雪とパイナップル(集英社)
  • コロナ時代を生きるヒント(潮出版社)
    など多数。

公式サイト:http://www.kamataminoru.com/

ピンピンひらり