食物に含まれる放射性物質を体内に吸収せずに排出する方法

放射性物質の体内への吸収・蓄積を抑制し、排出を促進させるには、二つの方法があります。
①食事の質を変えること
②消化管からの放射性物質の吸収を阻止して、蓄積した放射性物質の排出を促進させる特定の食品、薬剤、補助食品を摂取すること

質の高い食事とは

現在では、放射能による問題よりも質の悪い食事による悪影響の方が大きいのだと専門家は述べています。
食事の質を高めることによって、放射性物質の吸収率を下げるだけでなく、妊婦さん自身の健康を大きく増進することができます。
質の高い食事は、放射能を含む環境汚染による有害物質に対する抵抗力を高めてくれるのです。
☆質の高い食事とは
①有害な成分を含まないこと
②十分な量の必要成分を含んでいること

 ①についてはすでに前章で述べましたので、ここでは②について詳しく説明しましょう。
 第一に重要なのは、妊娠時の過剰な体重増加です。妊娠時の食べすぎは栄養不足と同じくらい胎児の健康にとって危険なのです。
検診のたびに徹底した体重管理を行なうのはそのためです。
過剰な脂肪分は心臓病や血管の病気を引き起こすだけでなく、新陳代謝のスピードも下げてしまうので、体内の放射性物質を排出するスピードも遅くなり、放射性物質やその他の有害物質の体内濃度が高くなってしまいます。ですから、高度に精製された食品(精製油脂、精製された小麦を使用したパン、菓子類:ケーキ・パイ・チョコレート・クッキー・砂糖)を摂り過ぎないようにしましょう。高カロリーの食品はたとえ
少量でもエネルギーの摂り過ぎにつながり、脂肪や血中脂質を増やしてしまいます。
野菜、とくに低カロリーの野菜(ビーツ・大根・にんじん・キャベツ・きゅうり・トマトなど)をたくさん食べるようにしましょう。
少なくとも1日に4回食事の時間を取りましょう。腹八分目の状態で食事を止めて、その2時間後にまた少量の食事をするようにしましょう。
人間の食事に不可欠な成分は、たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル成分・ビタミン群です。
これらの成分を一定の割合で、十分に摂取しなければなりません。

毎日欠かさずに牛乳・乳製品・肉・魚・野菜・果物を食べるようにしましょう。
これらの食品が不足すると、身体に必要なカルシウム・ヨウ素・銅・亜鉛・コバルト・ビタミンC・カロチンを含むビタミンA・E・P(ヘスペリジン)・B等が摂取できません。
牛乳や乳製品(発酵乳・ヨーグルト・カッテージチーズ)が不足すると、身体に必要なたんぱく質やカルシウム塩類が摂取できません。
たんぱく質が不足すると、消化系・内分泌系・造血器官等の機能が低下します。労働能力(まず知的能力)が低下し、有害物質に対する抵抗力が低下するので、放射性セシウムやストロンチウムの体内濃度が高くなり(40~60)、さまざまな疾病の回復が遅れます。
牛乳と乳製品は、カルシウム塩類を摂取するために欠かせない食品です。
牛乳に含まれるカルシウムは、カゼインによってたんぱく質と結合しているので吸収率が高いのです。
カルシウムが不足すると、カルシウムと性質の似ている放射性ストロンチウム90の吸収率が高くなります(20~30%から60~70%)。
ストロンチウムが骨組織に蓄積されて骨髄が被曝した場合は、なんとしても消化管にストロンチウムが吸収されるのを阻止しなければなりません。その方法の一つが、牛乳や乳製品に多く含まれるたんぱく質とカルシウムを十分に摂取することです。

したがって、牛乳や乳製品をたくさん摂ればとるほどカルシウムの摂取量が増え、骨に蓄積されるストロンチウム90の量が減ります。

毎日欠かさず野菜・果物・青菜を食べるようにしましょう。これらの食品には、ビタミン・ミネラル・食物繊維等が多く含まれています。野菜や果物が不足すると、ビタミンやミネラル塩類(カリウムを含む)の代謝が悪くなって、排泄による代謝のリズムが崩れます。これらの食品には、セルロース・半セルロース・ペクチン等の食物繊維と呼ばれる成分が多く含まれています。これらの成分は便通の正常化をうながし、放射性物質を含む有害物質を大便と一緒に体外へ排出させます。

野菜と果物は、カリウムや多くの微量元素を摂取するための重要な食品です。カリウムが不足すると、カリウムと性質の似ている放射性セシウムの体内蓄積量が増えてしまいます。

成人の体内のセシウム137が半減するまで100日間かかりますが、カリウムが不足すると140~170日間になります。つまり被曝線量が増加
するのです。

放射線リスクの高い条件下では、野菜や果物を十分に摂ってください。前菜(キャベツ・きゅうり・トマト・青菜・ビート・ラディッシュなど)、メインディッシュの付け合せ、野菜スープにして食べましょう。

このように野菜や果物は、カリウム・銅・鉄分・食物繊維を体内に供給し、有害物質を体外に排出させ、最終的には被曝量(とくにセシウム137による被曝)を減少させてくれるのです。

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