食物の放射性物質の含有量を下げる調理法

食品を調理加工することによって、放射性物質の含有量を大きく抑えることができます。
例えば、加工によってセシウム含有量は、魚は87~99%減少し、牛乳は85~90%減少します。

牛乳をクリームに加工すると、放射性物質の含有量は85%減少します。

カッテージチーズに加工すると(家庭で加工した場合も含む)、ストロンチウム90の含有量は60~80%減少し、セシウムは85~90%減少します。なぜなら放射性物質の大部分が、乳清(ホエー)に移行するからです。

バターの放射性物質の含有量は、原料の牛乳に含まれている含有量の3%です。

このように、牛乳を加工することによって、含有量を5分の1~10分の1に抑えることができるのです。

きのこのセシウム汚染率は、現在も非常に高く、1日分の食料に含まれる放射性物質の大部分が、きのこによるものです。
しかし調理加工することで、含有量を82~93%減らすことができます。

放射性物質の含有量を減らすための調理法は数多くありますが、その中でもよく知られている簡単な方法を紹介しましょう。

食品の外側についた汚れを洗浄機によって落とす。

食品の外側についた汚れを洗浄機によって落とすことによって、食品の表面および上層部に含まれる放射性物質は50%減少します。
・食品に付着した砂・埃・泥によって放射性物質は、体内に取り込まれます。
したがって、砂や泥が付着したり、泥などが入り込んでいる可能性のあるひび割れや凸凹した表面、くぼみはすべて除去してください。
・キャベツ・たまねぎ・にんにくの外側のもっとも汚れた葉や皮は、捨ててください。
・きのこは、付着した泥・埃・落ち葉を除去してください。
・食品の汚れを除去したら、流水でよく洗ってください。
・野菜(にんじん・ジャガイモなど)は、皮をむく前に、きれいに洗ってください。
・食品の表面が粘着性でべたべたしている場合は(例えば、きのこ・魚など)、水に重曹を溶かして洗ってください。
洗った後で、外側の皮を取り除いてください。
・新にんじん・新ジャガイモの場合も、皮をそぐのではなく、きちんとむいた方が安全です。根菜の皮の部分に、根菜の本体の2~3倍の
放射性物質が濃縮されているからです。
・魚は、よく洗った後で皮を取り除き、ひれ・頭・内臓・えら・骨も取り除きます。その後で、もう一度洗ってください。

水に浸す

高度に汚染された食品(きのこ・森で採れたベリー類・肉・淡水魚など)は、2~3時間きれいな水に浸してください。
(※ベラルーシの「きのこ」は、日本で一般に販売されている菌床栽培の物とは違う「自生きのこ」)
・きのこ類(生きのこ・乾燥きのこ)は、3回ゆでこぼしてください。1回目は15分間、2回目は30分間、3回目は60分間ゆでてください。
・干したきのこは、2%の食塩水に、30分・2時間・10時間と、3回水を替えてさらした後に、ゆでこぼします。
・肉と魚は、各5グラムの切り身にして、時々水を替えながら、4%の食塩水と3%の酢水に、交互に24時間浸けます。こうすることで、セシウムの含有量は87~99%減少します。
・漬け汁を替えながら、食肉を長時間漬ける( マリネにする) と、セシウムの濃度は2分の1~3分の1になります。(ただし、漬け汁は捨てること)

塩漬けにする

・野菜やくだものは、塩漬けにすると、セシウムの含有量は2分の1になります。
・しかし漬け汁は捨ててください。漬け汁に、放射性セシウムが排出されているからです。

ゆでる

・食品に含まれる放射性物質や、その他の有害物質(重金属や硝酸塩など)を取り除くためのもっとも手軽な熱による調理法です。
・ゆでることによって、放射性物質はゆで汁やブイヨンに排出されます。たとえば、食肉(牛肉・豚肉・鳥肉・兎肉、魚肉)に含まれる放射性物質の80%がブイヨンに移行します。根菜類に含まれる放射性セシウムの50%が、ゆで汁に排出されます。ですから、ブイヨンやゆで汁は必ず捨ててください。


・スープを調理する場合は、まず食品を5~10分間ゆでこぼしてから、新たに水を加えて調理して下さい。
・食品を焼いたり炒めたりしても、放射性物質を排出することはできません。むしろ濃縮されてしまいます。
・焼いたり炒めたりする場合は、まずゆでこぼしてから、調理してください。

食物に含まれる放射性物質を体内に吸収せずに排出する方法→

ピンピンひらり