ブックタイトルグランドゼロ107号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
32今こそ福島へ横内香苗( JCF事務局)原発事故で一番壊れたのは人間 5年前の東北震災による原発事故以来、JCFは定期的に福島を訪問しています。 除染作業、道路整備、住宅の建設などが進み、訪問するたびに景色が変わって行く福島です。 見た目には復興が進んでいるかのように見えますが、実際は様々な問題も起きています。 南相馬市小高地区は現在、避難指示解除準備区域でこの4月に避難指示解除を予定していましたが2月に行われた市の説明会で延期になりました。町の様子はどうなっているのだろう? と小高神社付近に車を止めて周辺を歩きました。地区内をパトロールしている地元の住民が声を掛けて下さったのでお話を伺いました。 外からも多くの人が出入りしているので見回っているようです。「今回の原発事故で一番壊れたのは人間です」「お金が人を破壊してしまった」とその方は話して下さいました。 5年前の今頃は津波被害で街は混乱していました。JCFが初めて小高に来たのもちょうど3月のお彼岸の頃で、その頃の映像や写真が残っています。事務局長の神谷や小高病院の元院長の遠藤清次先生らと共に防護服を着て原発から20キロ圏内の小高に入りました。あの頃は目に見えて破壊されたものがありましたが、5年経つと目に見えない壊れたものがそこにありました。 遠藤先生は今、仮設住宅の立ち並ぶ南相馬市鹿島区内に診療所を建てて住民の診療にあたっています。月に一度の健康講話の日に訪問しました。 遠藤先生は仮設の住民を対象にいつもであれば健康に関するお話から始まるのですが、今回は少し違いました。「震災から5年、私たちはそれまで要南相馬市小高区役所前に掲げられた全国初の「脱原発都市宣言」