ブックタイトルグランドゼロ107号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
303小児白血病の診療支援を通した国際貢献A チェルノブイリ原発事故後のベラルーシ共和国に対する小児白血病診療支援 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故は、隣接するベラルーシ共和国に高度の放射能汚染をもたらした。放射能汚染地域は福島原発事故の約5倍で、最も深刻な被害を受けたのは同国の東南部に位置するゴメリ州であった。1991年から、当科は日本チェルノブイリ連帯基金(JCF・鎌田實理事長)と連携して、現地で極度に不足していた小児白血病の診療に必要な医療機器や医薬品をゴメリ州立病院定期的に提供してきた。1997年には末梢血幹細胞移植技術を導入し、1998年には当院医療情報部の協力を得て、遠隔医療ネットワークシステムによる現地の移植支援を開始した。このような医療支援を長期間にわたって続けた原点は、初めて州立病院を訪れた時に会った終末期を迎えた白血病の5歳の少女であった。彼女はベッドの上でぐったりとして横たわっていたが、手足を見ると点滴ラインは一本もなかった。母親がこの少女の額にのせたタオルの上に手を添えて悲しそうに見つめていた光景は今でも忘れられない。 細胞分裂が活発な細胞ほど放射線や放射性物質による影響を受けやすいことから、小児の放射線感受性は成人より高い。このため、チェルノブイリ原発事故により、汚染された地域最終講義抄録(抜粋)症例から学ぶ─ 臨床研究、そして社会貢献へ小池健一 (信州大学医学部小児医学教室)JCFのチェルノブイリやイラクの白血病医療支援を支えて下さった信州大学医学部小児医学教室教授 小池健一先生が今年度で退官されます。3月8日に信州大学医学部で最終講義をされました。講義ではJCFの活動についても言及して下さったので、許可を頂き、抜粋を掲載します。2001 年ゴメリ州立病院で現地医師を指導する小池医師(右から2 人目)