ブックタイトルグランドゼロ107号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
28オーストラリア、ニュージーランドなどイラク国外にいるキリスト教組織の支援を得ることができましたので、他の宗派の人々に比べれば、まだ自分たちでこの状況に対処できる力があると考えられます。しかし、他の避難民はそうでありません。 本来であれば国がこうした問題の責任を果たさなければなりません。つまり、宗教や、民族や肌の色や、年齢、財産など、こうした相違による格差が可能な限り少ない、公平な国内避難民支援を行わなければなりません。 さらにこうした様々な事における公平さを起点とし、子供や高齢者や障碍者といった社会的弱者への配慮も行い、すべての人間が持てる権利が尊重されなければならないと考えます。 アフリカ統一機構により2012年、批准国に国内避難民に対する支援が義務付けられるカンパラ条約が施行されました。これは国単位、また地域単位において拘束力を持つ重要な条約です。またこの条約において、「国内避難民の発生の阻止」についても記載されています。政府も、非政府組織もこうした記載事項を遵守し、これが単なる条約ではなく現実に適応され、実行されるよう尽力せねばなりません。 そしてもちろん当該国の政府だけが国内避難民の庇護の責任を負うわけではなく、地域的に人道支援組織が介入し、国内避難民保護のための指示や助言を行い、必要物資だけではなく、医療支援、教育支援、文化的支援など様々な面で協力することが必要です。 こうした組織が迅速に円滑に支援を国内避難民に届けることができるように、例え相争うグループ同士が存在したとしても人道介入を認めるべきなのです。 最後にマルチシムーニ教会クリニックを支援してくださいました日本の皆さま、またクリニックのスタッフのためのご支援をくださいました日本カトリック医師会の皆さまに心より感謝いたします。皆さまは私たちが大変な時期に、ご支援をくださいました。こうしてご支援くださったのは、皆さまが私たちの抱える苦しみに共感してくださるような寛大で心をお持ちだからと思います。皆様がたが私たちにしてくださったような事が世界中で可能になれば世界がより安全、平和になると確信します。 私たちは一人ではありません。明日がより美しく、素晴らしい日となるという希望が今の私にはあるのです。皆さまがそう思わせてくれたのです。ありがとうございました。