ブックタイトルグランドゼロ107号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
26 国内避難民とは、暴力や紛争などの脅威により、その場にとどまっていては命の危険にさらされるため、止むを得ず国内の安全な場所に移動することを余儀なくされた人のことを指します。また、国内避難民については、当該国政府(イラクではあればイラク政府)に庇護義務が生じ、身の安全を保障することを始めとして他の市民と同等の権利を完全に保障されるべき存在です。 国際移住機関(IMO)が2015年末に発表したところによると、2014年から治安の悪化により発生したイラクの国内避難民は320万人を超えました。 同機関のスポークスマンによると、家族数でいえば50万家族、またこの87%がイスラム国(IS)による支配が続くニーナワー県、アンバール県、サラーッフディーン県から逃れて来た避難民です。またIMOの2015年10月の報告によれば、このうち42%が現在に至るまでイスラム国との衝突が継続しているアンバール県からの出身だということです。 このような状況に対しIMOのイラク代表であるトーマス・ローサー・ウェイスは「国内避難民の発生は増加すると見られ、包括的な支援を必要としている」と述べました。 例え、国内避難民が祖国で起こっている暴力から逃れてきたとしても、そのことによって必ずしも身の安全が保障されるとは限りません。国内避難民の多くが避難先として選んだ首都バグダードでは宗派対立による暴力事件が頻発しており、多数の避難民が犠牲になったケースも報告されています。 イラク警察の発表によると昨年バグダードにおいて銃殺された遺体の身元の大半が、多くの避難民が発生したアンバール県出身であったということです。2003年のイラク戦争以降の暴統計データから見る国内避難民の現状バン・ガーニム・ラフマーニー(JCF のN連事業現地スタッフ 国内避難民)イラクの「先生の日」のお祝いにリカ医師から花束を受けるバン先生(右)