ブックタイトルグランドゼロ107号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
22くなってしまったケースが多いからだと考えられます。残念なことに、治療よりも避難の方が優先されるような状況の結果だと言えるでしょう。第一完全寛解率の成績 2013年~2015年にかけて、バグダードの治安悪化にも関わらず、CWTHは努力の末に何とか最低目標ラインである第一完全寛解率92 %を達成することができました。これはイラク国内の病院の中でも最高の治療成績となっています。 バグダードのもう一つのセンターのCCTHが85%にまで低下しており、大きな開きを生んでいます。しかし、この92%という数値を達成するのも非常に困難でした。なぜならば政府からの抗癌剤供給が停滞し、そのため医師たちは薬品の供給源を他から探さざるを得なくなったからです。 また、イラク全体の経済状況も厳しくなり、患者さん家族による子供に対するケアの質、つまり食事や栄養管理、または感染症対策の質にもこうした経済状況の悪影響が見られたからです。この数字はこのような状況にも関わらず達成された偉業と言えるものです。予後 第一完全寛解に至った患者の予後ついても2014年度にCWTHが達成した92%という数値が最も良いものでした(2015年度の成績については、もうしばらく観察期間を要します)。また死亡率、再発率、治療の中断の率なども他病院と比較しても優秀な結果が見られます。したがって、治療成績や目標値を達成したことから見ても、CWTHがイラクで最良の小児腫瘍の病院と言えると思います。 この理由を考えてみると、同病院において専門医の数が多いこと、学術的なレベルが高いこと(イラクの最高学府であるバグダード大学医学部付属のセンJIM─NET会議で発表するアウス医師