ブックタイトルグランドゼロ107号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

17イラク保健行政の停滞 滞在期間中鎌田理事長と私は、ナナカリ病院(アルビルにあるガン血液疾患専門病院)を訪問し、小児がん治療の責任者であるペイマーン医師の案内で患者さんの様子を視察しました。 現在のイラクは深刻な経済危機にあり、薬品の供給が大きな懸念事項です。そのため鎌田理事長は薬品供給の状況やサポーティブ・ケアなどについて質問されましたが、保健行政は停滞していく一方ですので、確固たる見通しが立たないとの返答でした。 それどころか、これまでイラクになかった診療報酬制度も初めて導入されようとしています。これは検査や、外科手術、レントゲン撮影、入院など、すべての医療行為に対して課せられるものであり、患者さんにとって大きな負担を強いるものです。ましてさらに厳しい経済状況に置かれている避難民にとっては、非常に深刻な問題となり得るものです。N連事業の実施 また、鎌田理事長は今回の滞在期間中にマルチシムーニ教会で約150人の国内避難民を前に予防医療に関する講演会を行いました。 そこでは現在のイラクの避難民のように困難な状況下でどのように健康増進を行えるかというのが演題でしたが、先生は5つのポイントを強調されました。①減塩 ②野菜を多く摂取すること ③運動、1日に15分のウォーキング、もし無理ならば週2回でも良い ④生きがい(明るい心持でいよう)⑤絆、人と人のつながりが慢性疾患の予防につながる(ロゼット伝説を例に)。 またマルチシムーニ以外にも避難民が住むキャンプにて同様の講演会を行い、ここではヤズィード教徒の人たちが熱心に講演会に耳を傾けてくれました。講演会終了後も自身の抱える健康問題について鎌田先生に質問する患者さんが後を絶ちませんでした。現地イラクにおけるJCFの注目 イシュタールT V が私にインタビュー番組への出演を要請し、それが滞在中に実現しました。インタビューの内容はJCFの活動、特にマルチシムーニ教会クリニックでの支援や、同様にJCFの支援によって開設される新しい国内避難民用の「PHC(一次医療施設)」に関する質問が多くなされました。また、それらのプロジェクトの進捗状況や、どのくらい継続されるのか、日本からイラクの国内避難民への支援をより充実させるために必要なことは何なのか、など、たくさんの質問を受けました。