ブックタイトルグランドゼロ107号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

11を国内避難民のための一時医療機関として確固たるものとするため『薬品処方指導』、『医療体制構築支援』を行いました。国内避難民には心臓病、高血圧、糖尿病といった慢性疾患を抱える高齢者の患者が多いのですが、慢性疾患用の薬品は継続的な服用が求められますし、急性疾患の薬品と比べて高額なため、行政が崩壊した現状ではマルチシムーニ教会クリニックだけでは、これらを準備するのが困難だったのです。この薬品によりマルチシムーニ教会は現在に渡り、急性疾患患者約5000人/月、慢性疾患患者は2200人(登録制)、に医療サービスを滞りなく提供しています。 そしてこれと同時に脆弱であった医療機関としての基盤を強化すべく、『医療体制構築支援』を行いました。ここではJCF理事である国井看護師の指導により、薬剤部の整理を行ったり、また患者さんの診察をスムーズに行い、薬品の消耗や検査資材の消耗を防ぐために患者さんの既往歴が瞬時に明確になるような診察手帳(ファミリー・カード)を作成したりしました。これによって現在は実際に無駄な薬品処方が減少し、正確かつ迅速に患者さんの診察及び治療が行えるようになりました。N連事業第2期の目的    医療行政の再興 上記の通りこれまではマルチシムーニ教会クリニック(市民側)が行政に代わって国内避難民の医療サービスを担ってきました。しかし、数十万人(アルビル県のみでも30万人以上、イラク全土では320万人以上の国内避難民が存在)という膨大な数の避難民に対し市民側の努力だけでは到底太刀打ちできません。やはりどうしても行政の力が必要になります。そこでマルチシムーニ教会クリニックをサポートする傍ら、JCFは崩壊していたニーナワー県保健局の再興を目指し、医療行政を活性化させるサポートも実施しました。ニーナワー保健局と共同で慢性疾患患者の調査を実施したり、医療活動を再開させるための医療器材(超音波診断機)の提供を行いました。 2014年のモスル陥落以降麻痺状態であった同保健局は、保健局長、副局長などの幹部を一新し、体制を整え直しました。そして離散した職員の所在の確認がようやく完了し、彼らを再び医療業務に従事させる準備が整ったファミリーカードを記載するバッサーム医師