ブックタイトルグランドゼロ105号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

9○医療サービスの拡充現在のマルチシムーニでは最低限の医療サービスはなんとか維持できていますが、現状では提供することができない耳鼻科、眼科、歯科などの需要が高まっています。こうした診療科目は避難民を受け入れているクルド自治区の公立病院が無料で提供していますが、避難民の流入により公立病院も圧迫されており、長い間待たなければなりません。だからといって私立病院では検査だけでも高額な費用がかかりますので、私立病院に通うことはできません。こうした問題を解決するために、マルチシムーニ教会クリニックの限られた医療サービスをもう少し拡充し、より多くの疾患を治療できるようにすることが求められています。○予防医療先ほど述べたように、慢性疾患の長期的な安定供給が現在抱える大きな懸念となっています。今後流入してくる難民に加え、今はまだ慢性疾患ではなくても将来そうなる可能性のある慢性疾患の予備軍がたくさん存在します。そこで慢性疾患を予防することが必要になってきます。第1期目のプロジェクト期間中にJCF鎌田理事長による避難民を対象とした健康講話会が実施されました。講話会は「健康な体で故郷に帰ろう」と題され、長寿県長野の野菜摂取量や、諏訪中央病院での鎌田理事長自身の経験、またアメリカの*ロゼッタ村の話などを例にとり、慢性疾患を予防し、故郷に帰るまで肉体的にも精神的にも元気でいようと訴えました。当初は次期プロジェクトを構成する一事業になるとは考えていなかったのですが、現地での反響は予想よりも大きく、多くの避難民の方が講演会に出席し、鎌田理事長の話に耳を傾けてくれました。また講演会の後では患者さんが抱えている病気についての相談や質問が途切れることがなく、非常に有意義なものなりました。この講演会は現地のテレビや新聞といったメディアでも取り上げられ、当日集まった避難民だけでなく、その他大勢の人々にも周知されました。このように現地の避難民がまず関心を持ってくれるというのは、非常に重要なことです。このような現地の人々の高い関心に応えるべく、慢性疾患の予防を目的とした啓蒙活動にも力を入れたいと考えています。*アメリカ、ペンシルバニア州のロゼッ鎌田理事長の予防医療の講演は、避難民に大歓迎された