ブックタイトルグランドゼロ105号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
7きなトラブルも生じることなく無事にプロジェクトを終了することができて、とりあえずはホッとしているところです。JCFのプロジェクトを応援してくださった会員の方始め、皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。活動について話を戻します。まず、プロジェクトの上位目標は「アルビルに居住する国内避難民の健康を守る」というものでした。それを達成するためにアルビルで国内避難民の医療拠点となっていったマルチシムーニ教会クリニックにテコ入れを行い、このクリニックをまず6カ月間維持しようというのがミッションです。具体的には「1投薬指導」、「2急遽設立されたクリニックの体制構築」を行うのですが、さらに避難状態が長期間に及ぶことを見据えてプロジェクトを展開しました。まず、投薬指導ですが、半年間で約18000ドルの薬品を調達し、適切な投薬治療が行えるように指導を行いました。患者さんの数は当初の予測では月1万人を超えるほどでしたが、急性疾患(主に外傷、呼吸器疾患、感染症)については不足なくほぼ必要な薬品を賄うことができました。また慢性疾患(主に糖尿病、高血圧症、心臓疾患)についても2270人の登録患者さんに安定して必要な薬品を投与できました。ただし、慢性疾患に関しては薬品が高額であること、今後も避難民の増加に伴う患者数の増加が予想されること、また既に慢性疾患予備軍が多数存在することから、長期的に薬品供給ができるかどうかは難しい問題です。次にクリニックの体制構築については、まずどれだけの患者さんが来院し、どのような症例があり、どのくらいの薬品が消費されているかといった情報がきちんと整理されていなかったので、現地スタッフを雇用し、このようなデータ整理を投薬指導と並行して実施しました。現在は簡易カルテも作成され、クリニックの運営もより円滑に行えるようになりました。また9月からは患者さんの治療が連続的に行えるように、また移動の多い避難民がどこでも治療をすぐに再開できるように既往歴や投薬履歴を記載した健康手帳(ファミリーカード)を配布しました。このカードによって患者さんが自分自身で健康管理を行えるようになることも期待されますイラクの現状シリア難民がヨーロッパに避難する光景が連日報道されていますが、イラクでも、長期化する武力衝突による国内避難民の数は増加しています。今年