ブックタイトルグランドゼロ105号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
30間は飛び込むものだ。それが人間だ」鎌田先生はイスラエル兵に子どもを殺されたパレスチナ自治区に住むお父さんと対面した時の話をした。このお父さんは子どものいのちが助からない事を認めた時、その子の心臓を敵対するイスラエルの子どもに提供することを承諾したのだ。「溺れてる人間に、お前の宗教は何だとかお前の国は何処だって聞かないよね。まず助ける、日本人には飛び込む率が結構あるんじゃないかな?」「柳澤さんがコソボに行ったのは飛び込んだようなものだ。でもその一石を投じたことで波紋を起こした」鎌田理事長と柳澤寿男さんは「外国で活動をしていると、70年間戦争をしていない日本の人は尊敬されている、この国ではできないことも日本人ならできる」と共通して実感していらっしゃる。「今ここで戦争が起きたら僕は音楽を止めて銃をもって戦争に行きたい」と柳澤さんに言ったバルカン交響楽団のメンバーは、戦争で身内を亡くされていた。しかし演奏を聴いた彼は「僕は間違っていた。音楽に国境があってはいけない」と言ったそうだ。JCFも24年間、事務局長始めスタッフは随分飛び込んできたのだ。鎌田理事長がおっしゃったように、日本が環境問題や平和のためにこれからどんどん飛び込めば、世界にとって無くてはならない国になり、武器を持たなくても戦争の起こらない国になり世界にも影響を与える事だろう。共存共栄JCFブレーメン音楽隊による「動物の謝肉祭」は、ピアニストの吉村美華子さんの演奏からが始まった。会場に降り注ぐ雨の音、クラリネット奏者の泉さんによるカッコウの声は会場の後から……と柳澤さんの演出は会場内のまるでそこここに動物がいるかのような臨場感をもたせて、ピナスホールに集まった観客を楽しませた。柳澤さんは「オーケストラというのは共同作業だ。音楽家一人ひとりが大事なのであって、そこには民族も宗教も存在しない」「最後フィナーレでは共存共栄を願って動物も人間も・世界市民を願って集まってくる平和への願いを込めて演奏をしたい」と語ったが、その言葉通りに観客と奏者と音楽が一体感を共有しているかのようだった。JCFブレーメン音楽隊はこのコンサートのために各地から集ってくれたメンバーだった。鎌田理事長が言う「柳澤さんは、急に集めたんだからこのくらいで良いんじゃない、ではなく、今最高の音を出すにはどうしたら良いかを考えている」という言葉そのものだった。