ブックタイトルグランドゼロ105号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
20九州電力川内原発1号機の再稼働に反対する神谷さだ子(JCF事務局長)1984年といえば、日本は右肩上がりの高度成長期。日本の繁栄、豊かな市民生活のためには、たくさんの電気エネルギーが必要だ、という名目がアッタ。しかし、当時でさえ、私には、九州にどうして原発が必要なんだろうといぶかる気持ちがあった。この8月29日、2013年9月から2年余り停止していた川内原発1号機がフル稼働した。何故?原発をめぐっての不審感は、変わる事がない。2011年3月11日、福島第一原発事故が起こり、国内の原発は、安全点検のために停止していた。今回の再稼動は、新安全基準による審査をクリアしたからという理由だ。しかし、安全基準の内容についても、私達一般市民は納得していない。折りしも、鹿児島県の桜島が噴煙を上げ、警戒レベルは4に上がっていた。2011年、日本中を震撼させた大地震が起こることを誰が予測しえただろう。自然災害は、いつ、どこからやって来るか解らない。だが、それに対する対策が稚拙であっては、やむを得ない天災ではなく人災と言える。福島第一原発は、非常用電源が作動しなくなったために、冷却できなくなり、炉心溶融・大爆発となった。非常電源が海側に設置されており、津波に破壊された。政府と東電は、大規模地震と津波に原因の発端があるとして、「想定外」と言う。しかし、自然災害は、そもそも想定外で起こることだ。台風や大雨は予報によって、事前注意が喚起される。しかし、同時に起こる河川の決壊や土砂崩れは、想定外に起こる。防ぎようのない自然災害によって引き起こされたからといって「想定外」を逃げの口実に使ってはならない。不意の災害を受けた時、より被害を少なくするためではなく、致命的なダメージを増幅させるような危険なものに安全対策や安全基準などと言う言葉こそが詭弁ではないかと思える。資料を見ると、川内原発は1984年に稼働開始している。充分老朽化の域に入っている。劣化の痕跡、補修の確認はなされているのだろうか……等々。そして何よりも、この2年あまり、原発を停止していて、電気エネルギーが不足し、市民生活に支障が出ただろうか。経済活動が停滞する原因になったのだろうか。そんな事は