ブックタイトルグランドゼロ105号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
12マルチシムーニ・クリニック近況報リ告カ・アルカザイル(JCFスタッフ医師)まず、マルチシムーニクリニックの運営体制についてご報告します。現在クリニックは総勢46名のスタッフ、医師13人、薬剤師2人、薬剤師補助3人、検査技師2人、看護師4人、准看護師4人、受付、記録係14人、そして3人の神父と1名のシスターによって運営されています。ちなみに3人の神父のうちの1人がマルチシムーニ・クリニックの設立者です。小児科4人、一般内科3人、産婦人科3人、歯科2人、検査医師1人、皮膚科1人(スタッフ外)の医師が医療を担っています。平均年齢は43・5歳、21歳から60歳までのスタッフが勤務しています。56・5%が女性です。スタッフ自身も国内避難民です。スタッフの65%は2014年のクリニック設立当初から、35%は2015年から勤務しています。クリニックは複数のコンテナによって構成されています。運営、受付、小児科、一般内科、産婦人科、歯科、検査室、薬局、医療資材倉庫、処置室、ワクチン接種室(現在は週に一度、小児を対象に行われていますが、妊産婦を対象にしたワクチンプログラムも検討しています)が備わっています。土日を除いた週5日間、午前9時から12時まで開院しています。一日の訪問患者数は250人から260人です。多くみられる疾患は感染症であり、特に子どもや高齢者の間で、上気道感染症、水疱瘡、シラミ寄生症、疥癬が見られます。現在こうした疾患に対する治療薬は98%の割合で確保できています。クリニックには検査室があり、血液検査、尿検査といった最低限の検査を行うことができます。現在は火、水、金の週3日間運営しています。しかし、最近ラボの医師や、超音波検査器の専門医がクリニックを去ってしまいました。クリニックの財政難が原因です。今年の8月までは教会から医療スタッフに対し、ある程度の手当てを支払うことができていました。また非医療専門家のスタッフには交通費が支給されていました。しかし、長期化する現在の状況により、教会も資金を確保することが難しくなり、手当てを継続できなくなりました。そのため医師は自身のクリニックを開設することを望むようになりました。現在マルチシムーニがあるクルド自治区では1日12時間ほどは電気が供給されておりイラクの他県に比べるとま