ブックタイトルグランドゼロ104号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
9人ほど全員が悲しい顔をしている。戦争をしていいことなんて無いのだ。クルド自治区にあるナナカリ病院には、7年間医薬品を送ったり、血小板輸血ができるように支援し、白血球の遺伝子解析をするためにフローサイトメトリーの試薬を支援してきた。ナナカリ病院に白血病の2歳のヤズィード教徒の男の子が入院していたが、骨髄転移して脳圧が高進し脳が大きく腫れたため、眼球が飛び出し頭も大きくなり、苦しそうな姿で亡くなっていった。助けてあげることができなかった。ISの迫害が始まるまで、JIM─NETの支援でナナカリ病院の白血病の治療成績は上がり始めていた。以前だったら助けてあげられたかもしれない。ナナカリ病院もイラク中から重症患者が集まるようになり、手一杯だ。ここにたどり着くまでに病状がどんどん悪化する患者が多く、ISの迫害が始まってからたくさんの涙があふれるようになった。アンバール県出身の避難民で骨肉腫のアーイド君(14歳)は一度家族でバグダードに逃げた。スンニ派であるためISと関係しているかもとしれないと差別を受け、バグダードで治療を受けられなくなった。バグダードの人達はスンニ派の人達全員を逆恨みをして差別したりリンチをしているという。この子はアルビルまでやってきて、お金がないためJCFの事務所で寝泊まりしながらナナカリ病院で治療を受けていた。骨肉腫のため夜中に猛烈な痛みを訴え、加藤君が医者を探しまわった。マルチシムーニ診療所のドクターが夜中に往診ににとんできてくれ、痛みを止めてもらうことができた。JCFがこの地に築いた人間関係はすごい。この男の子も痛くて痛くて泣いたという。そこらじゅう涙が溢れている。一つだけ良い涙に出会った。神谷事務局長とアルビルの難民キャンプを廻っている時、若い女の子がいる家族の部屋に入った。23歳のサマーハはモスルから昨年6月ここへ逃げてきた。彼女はキリスト教徒だったため家を奪われ着の身着のままで逃げてきたという。モスル大学の5年生で医師を目指していた。「もう諦めている。医者になんかなれない。モスルはISに制圧されモスル大学には戻れない。我が家にはお金が全く無いから、他の大学に編入なんかできない。医者は諦めた」と涙を浮かべた「諦めちゃダメだ。あと1年で卒業できるなら、どこか安全な大学に編入した方がいい。スレイマニヤ大学に医学