ブックタイトルグランドゼロ104号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

アルビル便り今日はイラクの「食」についてお伝えしたいと思います。イラクには他のアラブ地域とは異なるイラク独特の食文化が数多く存在しますが、特にチーグリス川、ユーフラテス川という二つの大河の幸である魚料理が有名です。イラクで最も一般的に食されるのはこちらで「カーリブ」と呼ばれる鯉です。これを炭火でじっくり焼き上げて作るのがマスグーフという料理です。ここアルビルでも街中のいたるところで、マスグーフの看板を目にします。お値段は3 kgのものでおよそ3000円ほどといったところでしょうか。他のものに比べ少し高めなので、通常お祝いの席や、来客のある時に供されるようです。今回はバグダードからアルビルに治療に来ていた患者さんが化学療法を終えて帰るのでそのお祝いにマスグーフを買ってきました。アルビル市街の60メートル通りに魚の料理の店が集まっています。夕方になると炭が起こされ始め、周囲には炭の良い香りが立ちこめています。普通こういった魚料理屋には大きな生け簀があり、そこで自分の目で見て、自分で魚を選ぶところから始めます。こちらは4人なので2 kgぐらいの魚が欲しいと店のおじさんに聞いてみる。「4人で2 kgだと少なすぎる。3 kgのものにしなさい。今日はまだ時間も早いし、活きの良いのがたくさん残っている。あれなら身も崩れていないし、脂も乗っていてうまいよ」。おじさんの言うとおりのものをチョイス。網ですくわれた後、魚を捌くのですが、捌きやすくするように魚の頭をすりこぎ棒のようなもので「パコン」と殴って気絶させます。そして大きく2枚に開き、90分ほどかけてじっくり炭火で焼き上げます。こちらでは「アブー・ヌーワース流」とよばれていますが、土俵のような台の上に炭を円状に敷き、さらにその周りに短い棒を立てて置いていきます。その棒に開いたカーリブを刺して、右下写真のように並べていきます。ちなみに90分も待てないという場合には、竈を使って強火で短時間で仕上げてもらうことも可能です。身は程よく締まっており、噛むほどに甘みを増していきます。生臭ささはまったくなく、炭の香ばしさと魚の甘み、そしてたっぷりの脂が絶妙にマッチした一品です。加藤丈典(アルビル事務局)