ブックタイトルグランドゼロ104号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

46宮尾彰童わらびがみ神ある日曜日の昼下がり、車を運転しながら何気なくラジオのスイッチを入れると、ちょうど沖縄県宜ぎのわん野湾市で収録中の『のど自慢』が始まるところでした。はじめは軽く聞き流していたのですが、ふと、隣島からやってきたという女子高校生が歌い出すのを聞いて、その声にすっかり魅了されました。波のようにたゆたう節回しを、青空に矢を放ったようにまっすぐな声が朗々と歌い上げるのです。その歌声は、まるで会場に居合わせたかのように、私まで届きました。それから幾日経っても、この声は耳の底に残りました。やがて私は、少女の歌声の背景にあるものについて、思いを巡らすようになりました。ここに、沖縄について記された一つの忘れがたい文章があります。私たちが虚構の繁栄のなかで、無造作になげすててしまったもの──かけがえのない歴史の遺産と人間の誠実を、沖縄の人々は、大切に守り続けた。それが戦争と占領を通じていまも生活の中に生きて、人々を内面から律しているのではないか。「久くもじ茂地の子どもたち」これは、教育哲学者の林はやしたけじ竹二(本誌第五十五号「コ・プレゼンス」参照)が、一九七五年に初めて訪れた沖縄の印象を記したものです。彼は、この時那覇市の久茂地小学校の生徒に出会って以来、晩年まで毎年沖縄を訪ね続けました。NO.26 (再録)