ブックタイトルグランドゼロ104号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

35てしまっておいて、前向きに生きていきたいと思いました。私にとっては毎日がとても長い4年間でした。親と一緒に住んであげればよかった、大学なんかに通っていいのだろうかと毎日思いました。大学では、福島のことを話す機会はほとんどなくなりました。気まずくなるのが怖くて、自分の出身地を偽ることもありました。帰省のシーズンになると「あなたはどうするの」と聞かれるのが嫌でした。家に帰るわけでもなく、だからといって家族と会うわけでもありません。その理由を「福島」という重い単語を口にして説明するのも嫌でした。福島のことは、仲の良い友だちのほうが話しません。私のことを気遣ってくれて、福島の話をしないようにしてくれているのだろうと思います。でも自分で福島のことを発信する機会を閉ざしてしまっていると感じます。毎日そんなことばっかり考えました。4年も経つのに福島のことに固執して、自分は被害者意識が強すぎるのではないかとも思いました。でも、原発事故の被災者であることを自覚せざるをえない機会も毎日ありました。その度に自分のなかで気持ちに折り合いをつけて、毎日生活しました。「事故は収束した」と言うのなら、一度、わたしにでもなってみるといいと思います。「町への帰還」とか「東京オリンピック」とか、うわべだけの「復興」を推し進めていって、実際の、福島県民の生活は伴っているでしょうか。被災者のこころは、ほんとうに復興するのでしょうか。私は福島の復興は、まずは国と東電が事故の責任を認め、全国の原発をなくすことから始まるのではないかと思います。今の政府は、そういう初歩的なこともできていませんから、これからも私たちは声を上げる必要があります。そして、私がみなさんに個人レベルでお願いしたいことは、「福島の発信と共有」です。私たち被災者が恐れ、傷つくのは「忘れられること」です。年月が経って、出来事への関心が薄れるのは当たり前のことだと思います。でも、だからこそ長期的な問題として福島の発信・共有に対して意識的に取り組む努力があり、これは、私からみなさんへの協力のお願いでもあります。事故からいままでの生活を振り返ると、おそらくわたしのエネルギーのほとんどは、行き場のない恨みや憎しみからできているのだと思いました。なので、その中での、たくさんの人からの応援や励ましの言葉は、私の積極的なエネルギーとして私のからだに毎回、よく響きます。ほんとうにありがとうございます。私は、これからも原発事故・福島をあきらめない決意です。みなさんと一緒に、声を上げ続けていきます。ありがとうございます。