ブックタイトルグランドゼロ104号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

29ルの中間施設建設に向かう青森県六ヶ所村の人々を撮ったり、『ミツバチの羽音と地球の回転』では、故郷の祝島を守るために30年黙々と原発建設反対運動を続けてきた地元住民に心を寄せて作品を完成させている。3月、鎌仲監督が、核を扱った4作目の作品『小さき声のカノン─選択する人々』を完成させた。チェルノブイリと福島を結び、脅威にさらされた子どもたちを守るために、泣くしかなかった普通のお母さんたちが、なんとか、自分たちでできることを、自らの手でしていこうとする。母たちの思いが凝縮しているこの作品を、松本でチェルノブイリのメモリアル・ディに皆で見ようと思い立った。しかし、日本の社会の方向を少しでも変えて行きたい、と願う監督は、これまでの自主上映による問題意識を持っている人達へのアピールから、より一般の人達にも見てもらうために劇場公開を優先したいということだった。私たちJCFは、鎌仲さんのこれまでの作品に共鳴し、示唆をいただいてきた。撮影過程を報告のように公開してきた「カマレポ」の一部を上映し、鎌仲さんの講演会を行い、本番の上映に向けて行きたい、と思った。プレイベントとしても、鎌仲監督の資料は明快にまとめられていた。日本は、チェルノブイリから、何も学んでいない。それは、支援活動を長年続けてきた者にとって、がっかりする事実だ。私たちがよく知るベラルーシの甲状腺疾患の第一人者ユーリー・ジェミチクがこう語っていた。「ベラルーシの甲状腺健診システムは、日本人が作ったのに、日本人から、子どもたちを守るベラルーシの方法を質問されるなんて意外だ」と。2011年から4年経た日本の原発を巡る状況は、楽観を許さない。福島第一原発の汚染水の問題は毎日起きている事なのに、止める手立てすら示されないまま、今、ストップしている他の原発を政府は再稼働させようとしている。事故によって、故郷を失った人々、人間関係が壊れてしまった人々など、日本でこんなに多くの悲しみが綴られているのに、遠くの出来事として見えない、聞こえない事にしていこうとする風潮がある。JCFが「4月26日」を、思い起こし、伝えて行きたいと願うのは、今を生きる私たちが、何を求め、どんな社会に向かっていきたいか個人個人が自覚的になりたいと思うからだ。うわついた経済政策に流されていないか、目先の楽しさにおぼれていないか、この日をもって、個々に問い直す日にしたい。