ブックタイトルグランドゼロ103号
- ページ
- 7/60
このページは グランドゼロ103号 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは グランドゼロ103号 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
7ました。イスラムのジハードを戦うゲリラに武器を与え、戦争の仕方を教えました。ここで軍事訓練を受けたウサーマ・ビン・ラーディンが「アル・カーイダ」を作りました。冷戦中の当時、アメリカにとっての最大の敵はソ連だったので、ソ連を叩いてくれるなら誰でも良かったのです。やっぱり戦争が「イスラム国」(国家を自称するイスラム過激派集団)の芽を生み出しているのです。アメリカは11年前、イラク戦争でフセイン政権を倒しました。アメリカの監視の中で選挙が行われ、圧倒的にシーア派が勝ちました。フセインを支えていたスンニ派の諜報機関や軍事顧問団や官僚は新政権から排除され、一部は「イスラム国」に吸収されたのです。23年間フセイン政権を支えた強力な戦力を獲得し、「イスラム国」は単なるテロリスト集団では無くなってしまったのです。それでもイラクの中では「イスラム国」は過激過ぎて人気がありませんでした。2011年アラブの春がリビアやエジプトで起こり、ついにシリアでも起こりました。シリアのアサド政権が独裁的な政治をしていたからです。アメリカはここで3つめの過ちをします。反米姿勢を取るアサド政権をアメリカは嫌い、アサド政権を倒したかった。しかしアメリカはシリアに派兵する力がありませんでした。シーア派のアサド政権がスンニ派の市民を処刑したことことから、スンニ派の反政府軍が3つできました。その中にスンニ派「イスラム国」が混じっていたのです。ここで悲劇が始まります。なんとアメリカは、スンニ派が多い湾岸地域のお金持ちからアサド打倒をうたう集団に資金や武器が流れるのを見逃したのです。アメリカは、アサド政権を倒してくれる者は誰でもよかったのです。こうして「イスラム国」は一気に巨大な力をもつようになりました。アサドは自分の命を守るために、シリア政府軍を全部西に動かしました。アサドは兵を自分のいる首都ダマスカスを中心に動かし、シリアの東が完全に手薄になりました。こうして「イスラム国」はほとんど戦うことなくシリアの3分の1を手に入れたのです。10の油田のうち6つの油田を制圧、この石油を売り、さらに資金が豊富になり、新しい武器を購入し、兵隊をたくさん集めました。そしてシリアから南へ下り、2014年6月、200万都市のモスルを制圧しました。「イスラム国」のバクダディは、民主主義を否定し、国民国家を否定し、資本主義を否定する、既成の国家を越えた厳格なイスラム主義カリフ制国家「イスラム国」をつくることを宣言しました。このためにイスラムスンニ派以外の