ブックタイトルグランドゼロ103号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
福島第一原発の事故からはや4年が過ぎた。しかし、自然や人々への脅威は続いている。チェルノブイリ原発事故のように、この悲劇は数年、あるいは数十年にもわたる。確かに日本の原発事故は、原子力エネルギーの歴史の中でも最も大きく、短時間に、複数の原子炉で起きたものだった。人々は、悲劇的な状況からの出口を見つけられたのだろうか。多くの国々が、新しい発電所の建設許可を承認していない。ドイツも、原子炉の一部を止める採択をし、次第に原子力エネルギーから脱却しようとしている。大規模な原発の検査が始まった。アメリカでは、福島第一原発と同じタイプの原子炉への注目が集まっている。しかし一方で世界は原子力エネルギーを拒否していない。原子力発電所のより高い安全性と自然災害や人為の技術的な惨事に対して、より耐久性を増すための強化策が取られようとしている。ロシア・中国・インド・韓国は原子力エネルギー利用に関して政策を変えようとはしていない。ロシアと中国は、現在、より大きな原子炉を建設中である。ロシアは福島後も、海外の原発建設の契約を一つとして失うことは無かった。米国は、新しい原子炉建設を決定した。ポーランドでは、国民の52%が、英国では43%が原子力発電に賛成の投票をした。バルト諸国は同様に、原子力発電所建設を望んでいる。ベラルーシでさえ、国内で初めての原子力発電所を建設しようとしている。なぜ人々は、そのような危険な産業を開発し続けるのだろう?おそらくそれは、人類が危険な産業無しに生活する事ができないからなのだ。そして、また、統計によると、原子力エネルギーは水力と石炭エネルギーよりも、はるかに費用がかからないと考えられている。しかし、原子力発電所建設が将来的に増えることで、問題もまた増すことになる。まず第1に廃炉と使用済み核燃料の取り扱いである。第2に、アジアでは自然災害と技術的な原因により多数の犠牲者を出す事故があったのにもかかわらず、原発の数は予想通りに急速に増加している。第3は、軍事利用される核エネルギーによる広大な土地の放射能汚染の危険性への脅威である。核エネルギーの開発を停止し、より安全な技術に移行する事が重要である。おそらく、我々は我々が必要な安全なエネルギー源を探す時が来ているのだと思う。イリーナ・ニコラエワ(モスクワ事務局)