ブックタイトルグランドゼロ103号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
32「子どもを内部被曝させないための市民と議員の会」の取り組み大辻由美(千葉県松戸市在住)2011年3月、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、私の住む千葉県松戸市にも放射性物質が降下しました。水道水から放射性ヨウ素が検出されたり、千葉県北西部や東京都、神奈川県などの子どもの尿からセシウムが検出されるという情報も相次ぎました。私は先ず放射能対策課をつくることを有志の松戸市議会議員と共に市長に要望しました。当時は放射能対策に特化した窓口となる担当部署すらなかったのです。放射能対策課がつくられた後、正式に会派を超えた有志の松戸市議会議員の皆さんと共に「子どもを内部被曝させないための市民と議員の会(以下、市民と議員の会)」をたちあげ、松戸市行政の事業としての、放射能健康対策及び甲状腺エコー検査を実施するための活動に、およそ3年の間取り組んできました。松戸市行政は当初、松戸市の子どもに対して甲状腺エコー検査までは必要ないのではとの見解を示していました。私たち「市民と議員の会」は、市長に要望書を何度も提出し、また松戸市行政の各担当者と何度も話し合い、情報交換をし、時間をかけて信頼関係を築きながら説得し、昨年度、甲状腺エコー検査実施を現実のものとすることができました。現在、松戸市立病院において検査が行なわれています。市民から自治体行政に向けて政策提言をしたり政策転換を求める活動は、まだまだ一般的ではありません。しかし自治体行政こそ私たち市民の暮らしに最も身近な存在です。私は松戸市行政担当者と「子どもの健康を守るためには何ができるのか一緒に考えていきましょう」という姿勢で丁寧に話し合いを重ねてきました。前代未聞の原発事故の直後は、行政の方もわからないことだらけだったと思います。問題は、各課がそれぞれ該当する事柄において縦割りに動いていたこと、特に子どもの健康対策におい福島原発事故後、各地のホットスポットでも子ども達を被ばくから守りたいというお母さん達の切なる思いで、地元自治体と話し合いを重ね、自治体独自の検診が開始されたところもある。事故直後の恐怖から、自分達の手で、前向きに対処法を探っていったお母さんの一人、松戸市の大辻さんから寄稿して頂いた。本来ならば国が責任を取るべき問題を、国は福島県、県立医大に丸投げして、音なしの構えだ。お母さんたちの独自の動きに敬意をはらう。