ブックタイトルグランドゼロ103号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

30て活用しうるものと理解しました。そもそも法律に定める追加被曝限度の年1ミリシーベルトに収まっていたとしても健康被害がないとは言えませんし、被曝はしないに越したことはないのが基本ですので、値に一喜一憂せずに、値を参考に被曝を減らす努力を、福島に住んでいる限り、続けていきたいと思います。このガラスバッジの利用を希望する会員は依然として多く、いつも空き待ちの状態が続いています。そして、このデータを利用者個人にお返しするだけでなく、活用することを進めています。行動記録を基に地域や屋内・屋外など行動範囲を加味したデータに加工して、多くの方々に実態を知っていただけるような方法を検討しています。これには、利用者の協力も不可欠です。行動記録を付けていただくこともそうですが、例えば自宅に置いたままにしていたのでは正確な被曝量はわかりませんので、こうした理解と協力も、より進めていきたいと考えています。*放射線が人の健康に与える影響を表す線量。人体の各組織・臓器が受けた等価線量を組織毎に算出し係数を乗じ、全身について合計したもの。単位はシーベルト。◇空間線量計の貸出JCF貸与の空間線量計の貸し出しもしています。福島県内には至るところにモニタリングポスト的なものが設置されています。その88%が毎時0・23マイクロシーベルト(国が年1ミリシーベルト相当とする値)を下回ったと、朝日新聞に掲載されていました。(3月12日記事「除染目安線量、8割の地点で下回る原発周辺なお高線量」)たしかに、私たちが測定しても、機器のすぐそばであれば表示されているとおりです。しかし、ほんのちょっとの仕組み(ガラスバッジの測定値から標準的な人体モデルを基準に臓器の感受性などを考慮しながら算出していること)や結果の見方などを伺いました。この中で、福島のような全方位から放射線を浴びるような環境の場合、ガラスバッジの値は、*実効線量を下回ることはないが、空間線量より低くなるとの説明もありました。そして、法律の基準となる線量は実効線量であると説明していました。これらの説明には合点が行く一方で、東京電力の原発事故以降、被曝の基準を空間線量で行っていたのが、ガラスバッジなどの記録を根拠にし、昨年8月に環境省が除染の新方針(従来の実質的な除染基準となっている空間線量の2倍程度に除染の目安を緩和)を示したことなどは、結果的に被曝量が増えることになります。説明をお聴きして、値は一定のルールに沿って算出されていて、目安とし