ブックタイトルグランドゼロ103号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

24「福島の子どもたちを守りたい」というJCFの熱いおもいを受け、信州大学小児科では2011年7月から「ふくしまっ子検診」を行ってきました。2015年2月末日までに延べ300人以上の子どもさんが受診されました。本稿では、2014年4月から2015年2月に行った検診の概要と福島県で行われた県民健康調査の結果を紹介します。2014年度「ふくしまっ子検診」を受診されたのは21人、年齢は1歳から13歳です。震災時の住所が福島県の方は4人、福島県外の方は14人(東京都6人、埼玉県3人、千葉県3人、他2人)、震災時は出生前であった方が3人でした。21名中18人が、長野県内へ自主避難されておられました。検診の内容は、これまでと同様に子どもさんの体調に関する問診、甲状腺の触診を含む全身の診察、血液検査と尿検査です。血液検査では一般的な検査項目に加えて、甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、サイログロブリンを測定しました。甲状腺の触診で明らかな異常を認めた方はおりませんでした。15人の方が福島県の県民健康調査あるいは自主的に甲状腺エコー検査を受けておられ、6人の方がのう胞あり、2人の方が結節あり、7人の方が異常なしと判断されていました。のう胞や結節の大きさについては、他の病院での検査のため詳細が把握できない、あるいは福島県の判定待ちの方も一部おられました。血液検査では、2人の方が軽度の鉄欠乏があり、食事指導をしました。貧血や甲状腺機能異常など、さらなる精査や治療を要する方はいらっしゃいませんでした。お一人お一人の子どもさんとご家族が、体調に留意されながら生活されている様子が伺えました。震災から4年が経ち、自主避難が長くなっているご家族も多くなっています。長野県内の学校や幼稚園・保育園になじみながら、一生懸命に過ごされている様子が大変印象に残りました。微力ではありますが、体調不良など我々小児科医がお手伝いできることがあれば、検診を通じてご相談いただければ幸いです。さて、福島県は東京電力福島第一原発事故を踏まえ、子どもたちの健守りたい子どもたちの心と体JCFと信州大学小児科の「ふくしまっ子検診2014年度」中山佳子(信州大学小児科)