ブックタイトルグランドゼロ103号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

22えも受けることができません。私は、イラクでの短期間の滞在中に数人のがん患者に会いました。そのうちの一人がラナ・バッサムさんです。彼女の家族は、教会が管理するホテルに暮らしています。彼女は化学療法を受け、良い状態です。モスルとドホークの境界にあるシハーンのがん患者を訪れました。セキュリティは守られているものの、危険な「イスラム国」のチェックポイントがすぐ近くにありました。シハーンで、私はたくさんのクリスチャン避難民に会いました。そこには、お金持ちが買い上げ、多くの避難民のために提供された小さな、古い家がありました。その内の一軒を私達(私と司祭様、案内してくれた患者の親戚に当たる人)は訪問しました。患者は化学療法中でしたが、胃に転移していました。患者の息子は、「イスラム国」に捕らわれ、斬首された後、捨てられました。家族はとてもお金持ちでしたが、今は、支援を求めていました。私達は、JIM─NET事務所に戻り、加藤さん、ナガム医師、バンさんと今後について話し合いをしました。がん患者さんにも会いました。JCFによってマルチシムーニに供与された薬の中には、日本からの湿布薬があります。これを使ったお年寄り達は、とても感謝していました。私は、トルコのヨガット県(トルコの中心、山並みが続く)にも寄りました。私の弟と家族、イラクからのたくさんのクリスチャン避難民が住んでいます。私は、松本カトリック教会の方々からいただいた寄付を、支援を必要としている人々に届けてきました。私は、そこで、悲惨な状態で暮らしている家族達に会いました。彼らは、働くことも子どもたちを学校に通わせることもできません。ほとんどの人々は収入源を持ちません。NGOも支援しません。しかし、家族達は互いに支えあい、助け合っています。弟のニブラスは2、3人の仲間と、ボランティアグループを作りました。生活費や生活物資の支援、食糧の配給、病人を医師の下に連れて行くなどたくさんの方法で避難民家族をサポートしています。弟の妻を含む女性たちも貧しい人たちを支援する体制を作って、食料の配給を行っています。困難な中にあっても、彼らはお互いにベストを尽くしています。それは、苦しみをシェアする美しい姿です。