ブックタイトルグランドゼロ103号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
16アインカワ地区の難民キャンプイラクの子どもたちは、彼らの音楽は銃撃や爆撃による喧騒であって決して喜ばしいものではありません。彼らにとっての風船とは爆弾であり、彼らにとっての蝶蝶とは飛び交う鉛玉であり、彼らにとっての鳥とは戦闘機の隊列です。そのような子どもがこの世界のどこにいるというのでしょうか。私たち大人が『子どもの子どもらしさ』を壊した張本人に他なりません。イラクの子どもたちは確かな教育や医療、また保健サービスや清潔な住まいを持てない子どもたちです。『子どもの子どもらしさ』に対する侵害はとどまるところを知らず、それどころか、こうした問題は治療や予防や経過観察すら許さない諸々の病や諸問題を引き起こし、取り返しがつかぬほどになりました。イラクの子どもたちは物言えぬ被害者です。政治家や指導者の皆さん、いつまであなたがたの茶番が続くのでしょうか。イラクの子どもたちが世界の他の子どもたちと一緒に風船や花々や蝋燭、また穏やかな音楽によって『世界子どもの日』を祝福できる日を迎える夢は一体いつになったら叶うのでしょうか。可哀そうなイラクの子どもたち……。避難民の多くが彼らの子どもたちをやむなく働かせています。中には青年にすら満たない子どもだっています。こうした子どもたちが市場や通りに出て、あまりにも早く生存競争に加わることを余儀なくされています。そして彼らの多くが肉体や精神の成長にとって、とても十分とは言えないような僅かな糧のために諸々の重労働に酷使させられています。そして本来は義務であり、無償であるはずの教育を受ける機会を奪われてしまっています。子どもたちの『教育を受ける権利』が失われた時、社会アインカワ地区難民キャンプの子どもたち