ブックタイトルグランドゼロ101号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
9月下旬、私は国際博覧会への出張でインドを再訪しました。思いがけず嬉しい事でした。子どもの頃からインドを訪れることが夢でした。今年1月のインド旅行で夢は現実となりましたが、再びインドは私を招いてくれたのです。今回は、かつてボンベイと言われた地、ムンバイを訪れました。ムンバイは、アラブ海に面した人口約2000万人の大都市です。街は大まかに3地域に分かれています。イギリス統治下に作られた旧市街、高層ビルが建ち並ぶ新市街、そして貧民層の街です。夕焼けの中、私は遠くから高層建築群を眺めました。ビルの足下にはたくさんの小さな家があり、車や人々が整然と行き交っていました。街の通りや貧民街の多量のゴミを見ると、外国人はカルチャーショックを受けるでしょう。大家族が、路上で料理をし、子供たちと共に路上で眠っています。一方、海岸沿いの旧市街にはイギリス人が建てたビクトリア朝の美しいゴージャスな建物がたくさんありました。そこは、通りも広場も広くとられています。タクシー運転手さんが言うには、現在これらの建物は、その昔イランからインドにやって来たゾロアスター教の指導者が所有しているそうです。彼らは火を崇拝する宗教?ゾロアストリズムを守っています。街には「静謐の塔」と呼ばれるゾロアスター信者の埋葬地があり、そこには許された階層の者以外は立ち入ることができません。ゾロアスター教では土葬も火葬も認めず、亡くなった人は高い静謐の塔の屋根に埋葬されます。そこに肉食の鳥達が飛来し、死体の肉塊をこそげ取り、その後、骨は太陽と風で清められます。ムンバイから10キロ先の港の真ん中に、山を直接削って作った洞窟として有名なエレファンタ島があります。洞窟には、カーブした石の階段を上っていかなければなりません。日陰でも38度もあり、すごい湿気の中、辿り着くのは容易ではありませんでした。4つの大きな岩でできた寺院があり、450~750年かけて石を削り作られたそうです。壁からまっすぐにインドの神々の大きな像が見えました。隣には、修行僧達が一日中瞑想とお祈りをする禁欲的な住まいがあります。残念なことに壁や彫像はホコリにまみれ、少し崩れかけていました。ポルトガルの征服者たちが、寺院を銃撃場として使った結果です。そのポルトガル人たちが、島を「エレファンタ=象」と名付けました。島に泳ぎ着いた彼らが、現在、街の動物園を飾っている大きな象の彫像を見つけたからなのです。イリーナ・ニコラエワ(モスクワ事務局)