ブックタイトルグランドゼロ101号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

29した。しかし、当日の練習やうまいステージ運営などが功を奏し、少ない人数でも最善の演奏ができました。また、会田中学校さんも、私たちの未熟な演奏に耳を傾けてくださり演奏しがいがありました。訪問演奏は大成功でした!しかし私は地元の高校生と交流し、一つ思ったことがありました。やはり遠くで起きている本当のことは伝わりにくいのだ、と。〈福島県に住んでいる人は全員避難した〉、あるいは〈今も危険を犯しつつ頑張って生活している〉、など事実とはやや違う意見が出ました。少し前に、「福島原発事故による危険な汚染区域の認識の違いの図」なるものを見ました。外国からみた汚染区域は日本全土、九州からは福島県全域、関東からは福島県の半分くらい、隣県からは浜通り、といった調子です。私は福島県に住んでいますが、私の住む地域では普通の生活をおくれています。もちろん、福島県にはそうではない地域もあります。そういった違いを理解して、一概に福島県は危険だ、とまとめず、福島県の色々な面を知っていて欲しいのです。交流を通じ私は伝えることの難しさ、すなわち、相手に事実に対して興味を持たせることの難しさや、一度決めつけられてしまった誤解を解く難しさを実感しました。今回の松本旅行はサイトウキネンフェスティバルへ参加したり、会田中学校へ訪問演奏など音楽三昧で大変満たされた活動ができ、また、伝えることの難しさを知ったことで、福島県の高校生として何が出来るのかなどと考えました。同年代の高校生と話すことで得たものもたくさんあり、私の価値観や感覚が大きく揺れ動いた旅行でした。これからの人生に、いずれ福島県を出るときに生かしていきます。ありがとうございました。会田中学校応援団から福島とジュニアフィルに力強いエールが贈られた