ブックタイトルグランドゼロ101号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
20いよいよ保養当日。それまで雨続きの松本だったが21日はお天気も良く、北アルプスも見えるベストの状態で郡山の方々を迎えることができた。最初のイベント「子どものための音楽会」会場のキッセイ文化ホールには長野県内から沢山の小学生が来場し賑わっていた。その中に郡山からのオーケストラメンバーが加わることができたのはとても幸運だ。2階に用意された席にはJCFの理事長鎌田實も着席し開演を待った。当日の指揮者は直前まで知らされる事はなかったが、ステージ脇から現れたのは夢に見た小澤征爾さんだった。郡山の子供たちと保護者は2階席から食い入るようにステージを見守った。体調が万全でない小澤さんは最初椅子に腰掛け始まった音楽会だったが、ベートーベンの第9交響曲が始まると立ち上がり全身全霊で指揮棒を振った。これからプロとして活躍するであろう若い演奏家達に、数年後の郡山ジュニアフィルのメンバーの姿を重ねてしまった。本物のオペラ歌手と合唱団の歌声は、会場にいた子供たちだけでなく私たち大人にも大きな感動を与えてくれた。最後は小澤さんの指揮で皆で「ふるさと」を合唱。演奏会の後でマスコミのインタビューを受けた団長の塩原爽太さん(高校2年)は「小澤さんが全力で音楽を楽しんでいることが伝わってきた。弦楽器の響きが美しかった」と、参加できた事をとても喜んでいる様子だった。この瞬間を見せたかった私たちスタッフもホッと胸をなで下ろした。この日は夜に行われたサイトウキネンプログラムの『兵士の物語』も鑑賞。普段あまり見ることがない音楽劇を楽しんだ。終演は午後8時半。郡山を朝6時半に出発し6時間かけて松本に到着した初日から音楽三昧の一日のスケジュールを終えた。宿泊先に帰る際、佐藤会長さんが「子供たちが早く楽器に触りたい!と言っています」と伝えてくださった。子供たちは明日の演奏会に向けて今からワクワクが収まらない様子。さすが音楽をやっている子供たち。本当に音楽が好きなんだなと思う。宿泊は安曇野にある落ち着いた古民家風の宿泊施設のごほうでん。2日目も朝食を食べ終わると早速楽器を持ってごほうでんの談話室に集合し演奏会の練習を行った。「前日の演奏会と音楽劇鑑賞に刺激を受けたのか子供たちの様子がいつもと違った」と佐藤さん。昼食を取るために移動した温泉施設では1時間ほど待ち時間があったので、もっと練習したいという子供たちのリクエストに答えて、急遽温泉施設のロビーをお借りしてパートごとの練習が始まった。子供たちの弾むような