ブックタイトルグランドゼロ101号

ページ
14/60

このページは グランドゼロ101号 の電子ブックに掲載されている14ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

14ており、特に「妊婦の食事」「妊婦の運動」「産後の体の変化」が勉強になったと挙げていました。そして、ここで言う「家族計画」とは、避妊についてです。母国が紛争状態に陥り、今後の予測が立たず、経済的に困難な状況ではこれ以上の妊娠を望まない女性が多いです。そして夫も子どもを望んでいないにも関わらず、適切な避妊が行えていないことで妊娠し、中絶を考えたり、産後にネグレクトをしてしまう親が存在します。そのため、難民キャンプ内の看護師から「避妊のセミナーを開催して欲しい」とリクエストが挙がり、50人規模の大きなセミナーから10人前後のミニセミナーまで、内容を少しずつ変えながら複数回開催しました。セミナーの前後にはアンケートを実施し、実際にどのくらい理解したのかを確認しました。その結果、どのセミナーでも9割以上の女性から、「適切な避妊方法を理解した」「月経周期を理解した」「子どもをいつ何人産むか決める権利が女性にあることを理解した」という回答が得られました。課題も残されました。家族計画に関しては、男性の協力が不可欠です。男性向けの避妊セミナーは男性が実施することがベストですが、適任者が見つからないため現在まで実施できずにいます。ダラシャクラン難民キャンプには、ピル・コンドーム・IUD・避妊注射など、さまざまな避妊ツールが揃っていますが、クリニックにそれらがあることを知らない女性が多く、また今まで使ったことのない女性が多くいました。男性への避妊教育が実施できるまでの間は、女性への避妊教育をしっかりと実施し、可能な限り女性側で避妊ができるようにしていく必要があると思いました。また、10代の若い女性への避妊教育も必要と考え、複数回のセミナーを実施しました。難民キャンプ内でセミナーの告知をする時に「避妊セミナー」だと言ってしまうと保護者が参加させないため、「健康セミナー」として未婚の女性たちを集めて開催しました。しかし回を重ねるごとに参加人数が少なくなり、キャンプ内の看護師から「未婚の女性を集めるのが難しい」と言われ、途中で開催を打ち切ることに難民キャンプで生まれた赤ちゃん