ブックタイトルグランドゼロ101号
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「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。
11地からの情報を聞くにつけ、このままではいけない、と思う。着の身着のままで逃げ出した人々は約180万人。クルド人自治区には85万人になった。お金はもちろん、衣服や常備薬さえ持たない。クルド人自治区の教会や学校、空き家で夜露を凌いでいる。エルビルの聖マリア教会医療キャンプで治療にあたっている医師は、一日約480人の患者を診てきた。頭痛薬・痛み止めから高血圧・心臓疾患の薬まで足りないものばかりだという。9月に入ってから医薬品を買うお金が不足し、一日3時間しか診療ができず、現在は一日110人あまりの診察しかできない。JCFは「イラク国内難民支援」をスタートさせ、イスラム国の迫害から逃れたモスル避難民の方々への医療支援に取り組んでいきます。皆さんからの応援をよろしくお願いいたします。神谷さだ子(事務局長)リカ先生は、モスルのイブン・アル・アシール教育病院の小児血液・がんの専門医として、私達との共同事業に加わった。2008年、JIM─NET会議で、モスルの子供たちのレポート、治療成績について発表し終わったリカ先生は、思い余って涙を流された。「私達が、モスルで医療を続けていくことはとても危険です」と言う。丁度、JICA(独立行政法人国際協力機構)に、中東の中堅医師に日本で研修を受けてもらい、後輩を育てながら、イラク医療の向上を目指すプログラムがあった。松本の信州大学がこれに応えて、リカ医師の医学部大学院への留学が決まった。4年間、博士課程で学ぶ中で、リカ先生は、白血病の治療とイラクの白血病の遺伝子研究を行った。夜遅くまで、実験室で調査研究を行った成果は3本の論文となって、『ジャーナル・オブ・ヘモトロジー』に掲載された。イラクの慢性骨髄性白血病の子ども達の3割は予後の良いもので、丁寧に治療していけば治るという希望を与えてくれた。2013年、ビザが切れ、今後どうするかと皆で話し合った時、リカ先生は「私は、イラクの子ども達のために働きたい」と帰国することを選んだ。今回の来日までの間、調査研究の継続と学会出席のため、3回、短期来日している。来日中も、6時間の時差で、深夜遅くまでバグダッドのサルマ先生やマゼン先生と白血病の子供たちの治療方針について話し合っていた。JCFはリカ先生を応援することで、現地医師の自立自助を促し、子供たちを助けることに繋がると支援してきた。モスル避難民への医療支援を松本のリカ先生の下に毎日集まる現