ブックタイトルグランドゼロ100号

ページ
83/92

このページは グランドゼロ100号 の電子ブックに掲載されている83ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

グランドゼロ100号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

最近、モスクワっ子達の話題は、ウクライナ情勢でもちきりです。ウクライナの国境付近南東部の住民は、何年にも渡りロシア・ベラルーシと緊密な関係にあります。貿易経済、文化、歴史-そして、彼らにとって何よりも大切な事は、正にこれらの関係を維持することです。ユーロやNATOに加盟することでも、アメリカの軍事基地に自らの土地を提供することでもありません。実際、今では非常に多くのウクライナ人がロシアで働いています。なぜならば、自国に仕事は無く、彼らは職を失いたくないからです。南東部住民は、基本的に、炭鉱夫、労働者、農民です。まさに彼らが、首都とウクライナ西部を養っています。彼らは、キエフの政権下になること願っています。しかしながら、南東部の地域政権議員はキエフで虐殺され、オデッサの平和的住民は焼かれ、虐殺されましたが、警察は干渉せず、人々を守りませんでした。人民の要求を聞いたり調整案を探ると同時に、権力者は、対抗勢力を打倒するために軍を派遣し、自国民の反対勢力に対しても武力を行使しました。公式データによると6月19日までに、ウクライナからロシアへの避難民は40万人となり、毎日この数字は数千単位で増え続けています。ロシアは自国の軍隊をウクライナに投入していませんし、紛争を起こしてもいません。両国が交渉に入るためにあらゆる努力を惜しみません。そして、避難者に土地を与え、生活必需品を供給し助けています。ウクライナ側の南東部のロシア人─善良な、帰化した人達─は、兄弟達を助けようと苦慮しています。ウクライナ大統領は休戦を宣言していますが、軍隊は戦闘を続け、新たな犠牲者を出しています。数日前、ウクライナ軍からの挑発行為がありました。爆弾がロシア国境付近に落とされ、ロシア人国境警備兵が負傷しました。私たちは、ロシアに軍隊投入をさせ激しい非難にさらされるように仕組んだのは、アメリカではないかと考えています。いつもながらアメリカには、自分の政治的経済的やり方があり、ウクライナを自分のゲームに利用しています。ロシア市民として私はウクライナ人に対して少しの敵意ももちません。とても感情的ですが、人々の苦しみを思い、ウクライナに早く平和が来るよう願っています。クリミヤに住む知人がこう言っていました。「神様、私たちは、祖国ロシアに向かって逃げています。ところが、私たちは、今、まさにそのウクライナ南東部にいるのです、急がなくては-もっと大変な事になります」。イリーナ・ニコラエワ(モスクワ事務局)