ブックタイトルグランドゼロ100号

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グランドゼロ100号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

73者は、100年くらいと答えたという。石棺という言葉がふさわしくないような薄っぺらいドームのような覆いが作られている映像に後で質問が出た。「Teamめとば」顧問の三輪先生が、かつては放射線が強かったので、鉛入りのコンクリートで覆ったのだが、これからは放射性物質が飛び散らないように覆うので、大丈夫なのではと答えた。ジトーミル州ナロジチ病院訪問7歳の息子さんをもつ病院長へのインタビュー*移住した人は、人口の10%程度。*線量は今は高くない。病気が多いわけではない。今住んでいる人たちで、放射能の計測をしている人は、50%くらい。国による年に1回の検診。森で採れたものを食べる人はほとんどいない。*子どもには、年に3回、1回20日の保養に行かせている(そのうち国の保養は年1回、自費が2回)。妻も年に2回、保養に行っている。放射線医学センター訪問ウクライナ渡航前に読んだ『チェルノブイリ事故から25年』を執筆した小児科医・ステパノーバ氏へのインタビュー*ウクライナの子どもと原発労働者の貧血は確かに増えている。「『貧血は低線量被曝が原因ですか?』という質問に、ステパノーバ医師は「それだけではありません。食生活や経済的な問題もあります。特にポレーシェ地方では微量元素が不足しやすいです』とおっしゃっていました。アメリカとの共同研究で、『学童の被曝と貧血』というのがあり、その結果、『放射能による土壌汚染が高いほど子どもの貧血が起こりやすく、体内のセシウム量が多い子どもほど貧血になりやすい』とのこと。」(グランドゼロ99号より)*『チェルノブイリ事故から25年』の中に「先天性欠損症」が増えているとあるが、具体的にはどんなものかという質問に対し、氏は、「欠損症」ではなく、「先天性発育障害」であると答えた。(英語のdeficitの訳)*医療機関を回ってみて、国井さんが感じたこと。低線量被曝と健康障害の関係はなかなか証明できないのだが、現場の医師の感覚では、「増えている」という感触を持っているようだったとのこと。「ステパノーバ医師は繰り返して私たちに言っていました。『子どもたちの病気が放射能とどのくらい関係があるのか科学的には言うことができません。確かに汚染地の子どもたちには健康上の問題が見られますが、引き続き調査が必要であって、今は断定できま