ブックタイトルグランドゼロ100号

ページ
58/92

このページは グランドゼロ100号 の電子ブックに掲載されている58ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

グランドゼロ100号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

58載っていました。1事故の2011年に葉や枝に多かった放射性セシウムが、13年には枝や落ち葉から風雨で流され土壌の表面に移った2コシアブラが土壌のセシウムをカリウムやミネラルと同様に吸いあげた3コシアブラは地表に沿うように根を張る特徴があり、土壌の浅い部分のセシウムを吸収しやすい可能性があるこの記事から単純に考えれば事故で汚染された葉が落ちるなどし、セシウムが土壌に移り、その土壌から放射能を植物が吸収した、いわゆる移行と考えられます。また新聞には記載されていませんがコシアブラは、「ハイパー・アキュミレーター植物」と呼ばれ他の植物との競合関係の中で生き残るため通常の植物は好まない地を好み、マンガン(Mn)を始めとした重金属を地表面から根を経由して集めて更に濃縮し、他の動物の食害からの防御をする働きがあり、セシウムも同じように吸収するようです。このようなことも植物による移行率の違いに関係あるのかと考えると少し納得できます。今年になってJCFでの測定は週3回の給食測定、土壌以外は依頼検体数が減少気味でした。しかしこの新聞報道により山菜の測定依頼が一気に増えました。そして結果についても長野市のものは基準値以下ながら、やはり検出されています。今回の植物への放射能の移行などからも、事故による放射能汚染は現在も続いており今後どの様な形で放射能と向き合うかを考えたとき、測定することも一つの重要な一面であり、測定することで安心を手に入れて生活していかなければならないと思います。私たちは震災以降放射能の脅威を理解しているつもりでしたが、どこかに長野は大丈夫だという安易な思いがあったような気がします。3年たって逆に基準値以上の物が多く検出された今回の山菜コシアブラは私たちへの再度の警告を与えてくれた様な気がします。