ブックタイトルグランドゼロ100号

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グランドゼロ100号

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概要

「グランドゼロ」は、訪問団やセミナーなどJCFの活動の様子、事務局からのお知らせなどを掲載した季刊誌です。

42い現実に触れ、外国に医療支援を求める人たちの切迫した気持ちにようやく近づけた気がしていた。『お金はもっていなくても、被害を受けた人たちの気持ちに寄り添うことはできる』……それが、役に立てているのかしら?と自問しながら、長くJCFにとどまってこられた理由かもしれない。3福島の事故は起こるべくして起こった。管理の問題を筆頭に情報の独占が行われてきて、その土地で生きる人たちのことを第一に考え、国の原子力政策に対し批判的になっていった県知事を卑劣な手段で抹殺した自民党政府に再び政権をゆだねた国民の責任は重いと受けとめている。事故後、今や、この国に住むだれもが進むべき道はわかっているのに、バブル経済という見果てぬ夢を追い続けようなどというのは、往生際が悪いとしか言いようがない。チェルノブイリ原発の近くには2度しか行っていなくて、そのたび、お話しする村の方たちの言葉が少ない……と感じていた。「あのとき、なにが起こっていたのか」「あとから少しずつ知っていった事実ってどんなことだったの?」「食べものはどんなふうに気をつけていたのか」……言葉の壁もあるとはいうものの、もっと言いたいことがあるのではと、心残りだった。けれど、福島の事故が起こったあと、語ったのは福島の人たちではなかった。長い間、福島では原発のリアルな現実について住民は知らされることなく、“原子力は安全”“管理は万全”とばかり情報は流されていたのだから。自分の身近で恐るべき事故を経験して初めて、近くにいればいるほど言葉を失ってしまうのだと知った気がする。いまだ放射能のもたらすもので生々しい状況がつづく福島を、フクシマと記述した表現も現れた。そこにはヒロシマ・ナガサキのように、負の歴史遺産として祈りの対象に祀り上げてしまおうとする意図があるのだろうか。この土地の土に還りたい、ここで子どもを育てながら暮らし続けたいという人たちの気持ちに向き合う真の故郷再生のための政策とは?またもや“株価を上げて経済復興実現”と錦の御旗を掲げ、向かうところ敵無しの勢いで突き進む首相に、“亡国”の文字が浮かんでならない。◎小池保寛1チームMEとして廣浦理事の紹介もあり、活動に参加させていただきました。主に機器のフォローをさせていただいております。2大平原のど真ん中で、移動の車が故障したこと!途方もない距離を歩き、ペットボトル2本分の井戸水を取りに行ったことです!現地の人に親