新作DVD PPH ピンピンひらりー人生100年時代をどう生きるー

新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増えている方が多いのではないでしょうか。JCFでは鎌田理事長の「鎌田式らくらく筋活」DVDを発売しました。鎌田式スクワットとかかと落としの他、フレイル(虚弱)予防のための口腔体操も一緒にできます。

 

タイトルのピンピンひらりとは…今まではピンピンコロリが理想の人生と言われることが多かったですが、コロリよりヒラリとあちら側へ旅立つ、という鎌田式哲学も多く語られています。これはおすすめですね。

 

なぜJCFが健康DVDを発売するの??って思った方もたくさんいると思います。

 

鎌田理事長はイラクの国内避難民のための施設(PHC)やキャンプで健康講話会とスクワットと貯筋の活動を続けてきました。健康を通して「いのち」や「平和」を考えることを伝えてきました。イラクでの健康活動のためにDVDを作りました。日本国内でもDVDを販売し、イラクと同様に日本中に健康やいのちを大切にする運動を広げていきたいと考えました。健康は国境を越え、人々の願いなのです。

 

 

DVDの収益は経費を除いてすべてイラクや福島の子ども達の健康のための支援に繋がるので、誰かのために協力できる、そして自分や周りの大切な人が健康になっていく…そのようなムーブメントを作っていかれたら…と考えたのです。

 

このような厳しい時代ですが、そんな今、オススメのDVDに仕上がりました。

オンラインショップから注文できます!

http://jcf.shop-pro.jp/?pid=150211187

 

<配達方法>

1枚〜2枚 クロネコメール便でポスト投函

3枚〜4枚   レターパックでポスト投函

まとまった注文はレターパックプラスor宅急便にて対応します。

 

メール便の袋は子ども達にお手伝いしてもらって作成しています。ちょっとシールなど曲がっていることもありますが、ご愛嬌でお許しください。

 

一人でも多くの方が健康で過ごせますように。またイラクや福島の子ども達にその思いが届きますように。

 

 

 

イラクの医療危機を探る旅9  誰も俺のたちことを気にかけたりはしない…

 

2019年9月、数百人の医師たちが給与や労働環境の改善を訴えバグダードのストリートを占拠した。

 

この医師たちによるデモが行われたのは、例の市民が政治腐敗や公共サービスの停滞に対して怒りを爆発させ、広範囲に渡る運動となった大きなデモのほんの数日前のことだ。

 

イラクにおける医療施設の設備不足や薬品不足の中で、がん患者はヨルダン、トルコ、イラン、そしてインドなどの国外に治療を求めて高額な費用をつぎ込む。

 

保健省海外医療プログラムのアーミル・アブドゥル・サーッダによると、2018年度においてイラク人患者がインドで治療に費やした額はおよそ5億円である。またインド政府によれば、イラク人に対して5万件の医療ビザを発給している。

 

ロイターが聞き取りを行ったがん患者11人によると、皆が国外の治療に数千ドル費やしている。

 

しかし、多くの者が貯金を使い果たし帰国しても、今度は維持療法に必要な薬品が手に入らないと気づくのだ。

 

アブドッラーのケースがそうだ。(イラクの医療危機を探る旅1を御覧ください)。

 

ロイター通信より

 

彼らはこれ以上、国外での治療費を賄うことができず、わずかに残った金を国内のブラックマーケットから購入する薬に費やしている。

 

アブドッラー一家はムスタファが病気になる前は中間層に属する経済状況だったが、ムスタファの外科手術に10,000ドル費やした。「骨が折れるよ」とアブドッラーは語る。

 

さらに高額な注射も必要となる。最初の一本は500ドル、2本目は400ドル、3本目は300ドル、そして翌日のスキャンには1,000ドル・・・。

 

それでも、家族はムスタファを治療のためインドへ行くための貯金はあった。しかしインドで16,000ドルを費やしたが残念ながら改善はみられなかった。

 

その後、とある慈善団体の援助を受け、ムスタファはレバノンで治療を受けることになった。

 

「レバノンでは適切な治療を受けることができた」

とムスタファの父は言う。

 

ロイター通信より

 

しかし、レバノンでの治療費は7,000ドルもするため、家族はムスタファに再びレバノンでの治療を受けさせることはできない。

 

アブドッラー

「もう追い込まれてしまった。息子をレバノンに連れていくことができない。もう金がない・・・」

 

薬の費用も問題だ。彼は息子の治療に必要な薬をレバノンから購入していた。それというのも国内で手に入る代用品では効果がないからだ。しかし息子が必要とする薬代だけでおよそ年間3,000ドルになった。

 

アブドッラーはムスタファの看病を行うことだけに集中するため、これまで務めていた正規の仕事を辞め月640ドル~720ドルほど稼げる雑役に従事することにした。

 

「サダムの時代の頃の方がマシだった。あの頃は誰かを見捨てるなんてことはなかった。少なくとも努力はしてくれたし、動いてくれた。今はそうじゃない。誰も他人のことなど気に留めないし、同情もしない。この国にからは思いやりの心が失われたんじゃないか」

 

 

これはロイター通信が作成したイラクの医療事情レポートを翻訳したものです。

イラクの医療事情問題の把握にとても役立ちます。

 

アラビア語版
https://ara.reuters.com/article/topNews/idARAKBN20P1ZF

英語版
https://www.reuters.com/investi…/special-report/iraq-health/

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5 http://jcf.ne.jp/archives/4584

6 http://jcf.ne.jp/archives/4591

7 http://jcf.ne.jp/archives/4643

8 http://jcf.ne.jp/archives/4655

 

 

~イラクの医療危機を探る旅 8~ 失われた信頼、殺される医師たち

 

失われた信頼、殺される医師たち

 

イラクにおける一人あたりの医師、看護師の数は、イラクより貧しい国と比べると少ない。

各国の評価によると2018年のイラクの看護師数は2.1/1000人、ヨルダンは3.2/1000人、レバノンが3.6人/1000人である。

 

医師に関してはヨルダンでは2.3人/1000人もいるが、イラクは0.8/1000人と中東地域の中でも非常に少ない。

 

医師たちによると、サダム・フセインの時代でも決して医師がバラ色の生活を送れていたわけではないという。

 

当時のイラクでは国連主導によるオイル・フォー・フード(食料のための石油)・プログラムが実施されており、石油を輸出する代わりに医薬品などの人道物資がイラクに供給されていた。それにも関わらず薬品は不足していたし、医師は酷い給与に嘆いていた。また医師は希少な人材とみなされていたため、外国旅行は禁止されていた。

 

しかし、ある医師はこう語る。

「少なくとも安全は確保されていたし、誰も医師を攻撃したりはしなかった」

 

イラク医師協会によると、米国がサダム政権を崩壊させた2003年以降、少なくとも320人の医師が殺害されている。

 

2003年以降、宗派対立やイスラム系武装勢力の問題が生じており、殺された者以外にも数千人が誘拐されたり、脅迫されたりした。

 

サダム時代でも医療者がブローカーに多額の金を払い、高いリスクを冒してまでもイラクを出ていくケースはあった。ただ、アメリカによるイラク侵攻後は移住するケースが非常に多くなり、イラクの医療体制は3,800万人の国民に対応することができなくなってしまった。

 

医師会によると52,000人の登録者のうち、約3分の1近くに相当する20,000人の医師が90年代初頭からイラクから脱出してしまったという。

 

またインタビューに応じたある医師によると、2005年に卒業して医師になった者300人のうちの半数がイラクを出ていったそうだ。加えて、彼の2人の親友、また2人の甥、叔父1人(彼らは皆医師である)も国外に出ていった。

 

アブドゥル・アミール・フセイン医師会長は率直にこう言った。

「患者の数に対して医師や病院が不足しているんだ」

 

医療体制の崩壊は医師と患者の間の信頼を砕いた。

 

SHARED GRIEF: In the Basra children’s cancer hospital, a couple comfort one another. REUTERS/Essam Al-Sudani

 

患者の治療中に何かトラブルが生じてしまった場合、その患者の一族が医師に危害を加えるケースも珍しくない。

 

ある若い医師はこう語る。

「患者が亡くなった際、その家族に連絡する前に、不測の事態を想定してまず警察に連絡するんだ」

 

若い医師のかつての同僚の2割がアカデミックな分野に転向した。教鞭を取る方が臨床医として働くよりも安全であり、より敬意を払われるからだ。

 

 

(公務員の)医師の給与はおよそ月700$から800$ほどである。そのため医師の多くは安い給与を補填するために民間での副業を探している。若い医師は過労に苦しめられており、ある医師は日に12時間から16時間も働いている。

 

またある医師によると、同僚は特定の薬品の処方箋を出すことで(薬局などから)キックバック(不当な賄賂)を受け取っている者もいるという。

 

またベテラン医師は午前に公立病院で患者を診察した後、午後はその患者を自身が保有するプライベートクリニックにも来院させることで、収入を増やそうともする。

 

こうした行為が患者の公立病院に対する信頼を失わせているのだ。

 

医師の長時間勤務は医療行為にも悪影響をもたらし、それが医療過誤につながり、さらには患者一族から医師が危害を受ける事態にまで発展する。

 

また一部の医師は治療に必要な薬品を自ら負担している者もいる。

 

それが良心から生じたものなのか、患者側から危害を加えられないようにするためなのかはさておき、こうした行為は規則に反するものだ。本来、病院にいる患者に与えられる薬品は病院内の薬局から処方されるものでなければならないからだ。こうした行為により刑事罰が適応されることもあるのだ。

(続く)

 

これはロイター通信が作成したイラクの医療事情レポートを翻訳したものです。

イラクの医療事情問題の把握にとても役立ちます。

 

アラビア語版
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https://www.reuters.com/investi…/special-report/iraq-health/

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7 http://jcf.ne.jp/archives/4643

 

 

 

 

~イラクの医療危機を探る旅7~

 

イラクの薬品製造事情

 

また、薬品需要のリストにブレや変更が度々生じることも需要の把握に遅れが出る理由である。

薬局には消費期限切れのものや安全性が確認できないような密輸薬品がいっぱいだ。

 

しかしイラクの自国生産のみで薬品需要を賄うことはできない。現在のイラクは中東でその医療が羨望されていた60年代や70年代とは全く異なるのだ。

 

かつてイラクは薬品生産においてはエジプトに次ぐ第二位であった。

しかし今は大きな2つの国営工場が自国産業の衰退を見届けるように残っているだけだ。

 

2つのうちの1つはモスルに存在する。しかし、後にイスラム国との戦争により破壊された。

 

2つめはバグダードの北部サーマッラーにある工場で、旧式の機械が稼働する工場だ。
ここでは女性たちがブリスターパック(薬品の包装パック)をすくい上げ、ゴムバンドで一つにまとめる作業をし、男性はその束を箱に詰めている。

 

 

 

この国営の薬品会社「State company for Drug Industry=SDI/ الشركة العامة لصناعة الأدوية」は50年前に設立された。
同社の理事長であるライス・アブドゥルラフマーンは

 

「かつては300種類の薬品を製造していたが、今では140種類の基礎的な薬品しか製造しておらず、生命の危機にある患者を救うような薬品は製造していない」

 

 

米国がイラクに侵攻する前の2002年と比べて2019年の薬品の生産は80%減少している。

 

ライス・アブドゥルラフマーン曰く、
「イラクが潜り抜けてきた苛烈な時代のせいだ。イランとの長期に渡る戦争、13年に及ぶ経済制裁、そして2003年以後続いた混乱は当然影響を及ぼす。どんな国であれ、経済や政治が安定しなければ産業は衰退する。」

 

イラクには民間企業が保有する薬品工場が17存在する。しかし、それも時代遅れの技術で生産する基礎薬品ばかりだ。

 

専門家は「汚職や高額な税金、生産に耐えない電力網、また貧相なサプライチェーン、不安定な治安、これらすべてが生産事業をここ数十年停滞させている要因だ」

 

自国企業でカバーしているのは薬品需要の8%未満だ。企業は十分な原材料、技術そして道具を持っていない。。

 

アッバース「イラクは薬品生産における老舗だ。エジプトに次いで2番目薬品生産に進出した国であり、サーマッラーの薬品工場はこの分野のパイオニアだったが、今はこの有様だ。」

 

この工場はかつてイラクの国内需要を満たし、さらに東欧やアラブ諸国に薬を輸出するほどの工場だった。

 

(続く)

これはロイター通信が作成したイラクの医療事情レポートを翻訳したものです。イラクの医療事情問題の把握にとても役立ちます。

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グランドゼロ122 春号を発送しました。

コロナウィルスの影響で外出を控えている方も多いと思います。
JCF事務局もテレワークの体制です。
ロックダウンという聞き慣れない言葉世界では当たり前になってきています。
日本も封鎖にならないうちになんとかグランドゼロ発送を終えました。
すでにお手元に届いていらっしゃる方もいるかと思います。
チェルノブイリ、フクシマ、そしてコロナウィルス・・・。
人間がまだまだいけると走り続けてきた結果が今に至っています。
イラク事業も日本人スタッフが渡航できない状態です。
JCFの小さな冊子から何か明るい未来を描ける発信が出来ると良いのですが。
新たなJCFグッズも間もなく公開できそうです。が、今は静かにコロナと向き合いましょう。
冊子ご希望の方はどうぞ事務局までご連絡下さい。尚、テレワークのためすぐに発送できない場合があります。ご了承下さい。
  asama@jcf.ne.jp

イラク緊急支援のお知らせ

<緊急支援をお願いします!>
現在JCFではイラクにおける新型コロナウィルス拡大の危機に際し、国内避難民などに対する緊急支援の準備を行っています。

現在イラクやクルド自治区では外出禁止令の発令により、食料調達の問題が発生したり、また特定の病院を除く医療機関が感染拡大防止のためのに閉鎖され、救急患者が医療にアクセスできない問題、また献血が行えないことによる血液製剤の供給不足問題など様々な影響が出ています。

 

モスルのイブン・アルアシール病院

 

 

こうした問題は一般市民のみならずクルド自治区内に居住するおよそ110万人の国内避難民とシリア難民にとっても非常に大きな問題となっています。

 

昨日にはクルド政府からもNGOに対する支援要請が届きました。(以下抄訳)

 

「クルド政府はクルディスタンにおける国連組織、国際組織による医療、復興、メンタルヘルス、また避難民支援など人道分野に対する支援に感謝いたします。

また、私たちクルド政府は各国のチームに対し、今回の新型コロナウィルス対策により、経済な影響を受けている弱者ののための食料調達、及び新型コロナウィルス感染者治療に必要な物資の支援をお願いいたします」

 

JCFでは今回のコロナウィルスで生じた危機に際し、関係分野における緊急支援を行う予定でいます。

 

アルビルのPHCの様子

皆様からのご支援ご協力を賜りますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

☑️募金方法  http://jcf.ne.jp/donation
☑️JCF website  http://jcf.ne.jp/
☑️JCF Twitter  https://twitter.com/JCF69328985

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~イラクの医療危機を探る旅6~

イラクの医療危機を探る旅 -6-

基礎薬品の8割以上が不足

 

前保健大臣のアルワーンがロイター通信に語ったところによると、2018年度のイラクにおける基礎薬品リストのうち85%以上が供給不足、または全く手に入らない状況だ。中でも抗ガン剤は高価で希少ため、最も密輸の対象となりやすい薬品である。

 

輸入薬品を取り扱う民間企業の責任者は語る

 

「国際企業はイラク政府の汚職やその不安定さが原因でイラク政府と直接に取引を行うことを避けている」

 

アルワーン前大臣も汚職については認識し、こう話している

 

「率直に言って行政腐敗はイラクに存在し、それは保健分野にとって大きな障害となっている。」

 

政府は薬品や医療資材の輸入を「キマディア」という国営企業を通じて行っている。同社の社長は医薬品会社との関係は良好であると主張するが、同時に同社が時代遅れであり、また資金に恵まれず、往々にして薬品需要に応えることができていないことを認めている。

 

かつてアルワーン前保健大臣がキマディア社長ムザッファル・アッバースに業務の合理化を要請したことがあったが、

ムザッファルは

「予算決定の遅れが薬品需要の調査の遅れに影響を及ぼしている。予算がなければ調査も合理化もできない。イラクは中央官僚制なんだから。」と答えた。

 

(その7へ続く)

 

これはロイター通信が作成したイラクの医療事情レポートを翻訳したものです。イラクの医療事情問題の把握にとても役立ちます。

アラビア語版
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~イラクの医療危機を探る旅4~ 

<イラクは地域の医療後進国>

イラクの医療制度は危機に瀕している。イラクでは他国との比較可能な統計情報の入手が困難で、手に入る統計は局所的なものばかりである。かろうじて入手可能な「平均寿命」、「妊産婦と乳幼児の死亡率」、「保健関連支出」などのデータを他国と比較するとイラクは地域の平均を大きく下回っているという。

イラク南部の最大の都市バスラはイラクの経済首都であり、歳入の90%を賄うほどの石油を輸出している都市だ。 しかし、市内の医師や患者の証言、また保健省のデータによると医療サービス体制は慢性的に資金不足で、医師や看護師は過労状態。

病床不足や人員不足をイスラム国との戦争のせいにはできない。過激派の侵攻で荒廃した他の地方とは対照的にバスラでは軍事衝突は起こらなかったからだ。患者や医師たちは医療体制の問題は中央または地方レベルでの汚職や行政上の不手際によるものだと指摘する。

 

ロイター通信より/ クリックすると拡大できます

 

ロイター通信調べによると、2015年から2017年にかけてバスラ住民1人当たりに対する政府保健関連の平均支出は平均71ドル/年間であり、これはイラク全土の平均のおよそ半分程度である。

またバスラは医療機器不足にも陥っている。先進国では住民100万人あたりのCTスキャナーは34台(アラビア語版記事では26台)、MRIは24台(アラビア版記事では16台)あるのに対し、バスラではCTスキャナー3台、MRIは1台という先進国とは比較にならない少なさだ。

 

ロイター通信より/ ムスタファと父親

 

ムスタファの父は、バスラ小児がんセンターでの治療の質について懸念を抱く。

同病院のマネージャーであるアリー・アル・アイダーニによると十分な病院運営を行うには2019年に保健省から割り当てられた予算の4倍以上の予算が必要であるという。また同病院には特定のがんを発見するのに役立つPETスキャンもなく、また十分な抗ガン剤もない。

薬不足に悩まされながらも病院運営をなんとかやりくりするため、マネージャーのアイダーニーは募金活動を行っている。当局が不正を疑い、幾度なく捜査にやってくるが最終的には注意で終るという。

「そう深刻なものではないよ」
とアイダーニーは語るが、こう付け加えた。

「今のところはね…」

 

彼の上司は病院をやりくりしていくために、臨機応変に行動することも必要だと考えている。その結果、当局が捜査に入ることもあるがそれ以上のことはしないそうだ。保健省の高官もこのようなことが時々起こることを承知している。

 

 

その5へ続く
前回の記事 http://jcf.ne.jp/archives/4521

 

これはロイター通信が作成したイラクの医療事情レポートを翻訳したものです。

イラクの医療事情問題の把握にとても役立ちます。

アラビア語版https://ara.reuters.com/article/topNews/idARAKBN20P1ZF
英語版https://www.reuters.com/investigates/special-report/iraq-health/

英語版には動画もあります。

البصرة (العراق) (رويترز) – تتدلى على جدران مستشفى سرطان الأطفال في البصرة صور لب…

コロナウイルスの影響がイラク支援にも…でもJCFは「想定外は想定内!」

 

インド:イラク人に対するビザ発給を4月15日まで停止
イラクの小児がん患者の治療にも影響が出る可能性
https://alforatnews.com/…/%D8%A7%D9%84%D9%87%D9%86%D8%AF-%D…

 

イラクで対応できない病気などはヨルダン、イラン、トルコ、最近はインドの病院に搬送されること多いです。小児がんに限っては最近はインドが非常に多いです。

 

イブン・アルアシール病院

 

 

イラク保健省には自国で対応できない病気やケガなどの症例を海外に搬送して治療を行う「海外医療搬送プログラム」というものがあります。

海外医療搬送プログラムによると、「2018年度だけでイラク人患者はインドで治療のため5億円費やした。またインド政府によると、イラク人に対して5万件のビザを発給している。」
https://ara.reuters.com/article/topNews/idARAKBN20P1ZF

 

 

しかし近年ではこの海外搬送プログラムの見直しや終了をするという話も出ています。理由はイラク保健省が海外搬送プログラムによって生じた負債を抱えており、イラク人患者が海外の病因に受け入れられにくくなっているからです。
https://www.alsumaria.tv/mobile/news/134769/iraq-news

 

 

2017年に当時のアディーラ・ハムード保健大臣により、海外搬送プログラムを終了し、自国で医療をしっかり行うようにしようという方針が打ち出されました。
http://www.alshuhadaa.com/readtxt10223.htm

 

 

JCFでは今年度小児がんの診断に必要な機材「フローサイトメーター」を導入し、それを扱える医師、技師の育成を行っております。

ただ、実は医師、技師の研修をインドで行う予定でいたので、私たちの事業にも若干影響が出ています。

しかし、イラクでは「想定外は想定内」(イラクでは何が起こっても不思議ではない)ので、これまで同様にあの手この手で計画を実行していきたいと思います。

 

次年度事業についてミーティング(イブン・アルアシール病院にて)

 

 

 

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