~イラクの医療危機を探る旅3~

~イラクの医療危機を探る旅3~

これはロイター通信が作成したイラクの医療事情レポートを翻訳したものです。

アラビア語版 https://ara.reuters.com/article/topNews/idARAKBN20P1ZF

英語版 https://www.reuters.com/investi…/special-report/iraq-health/

 

混雑する病棟

 

2019年春、ロイター通信の記者が訪れた時、ムスタファはバスラにある叔父の家の居間のベッドに横たわっていた。鈍い痛みにより彼の顔がゆがむ。 彼は背中の腫瘍のせいで横たわっている間も満足に休むことが出来ない。

ムスタファの病気は2016年に単純な脚の痛みから始まった。しかし当初医師たちはそれをただの関節炎であるという誤った診断を下した。腫瘍が発見された頃には、彼の健康状態は既に悪化しており、最終的に彼はサルコーマ(肉腫)に侵されていた。

 

ムスタファはバスラ小児がん病院で治療を開始した。病院は非常に手狭で各部屋には6床のベッドが詰め込まれ、また全てのベッドが患者で埋まっている。1,000人あたり1.2床とイラクは病床の数でも近隣諸国に遅れを取っている。

 

母親たちは病気の子供たちの脇の床の上で眠る一方、父親たちは彼らがキャラバンと呼ぶ隣接するトレーラーの中で眠る。むしろ救急治療室のほうが、より多くの患者を収容できるように改装されておりマシなくらいだ。病院管理者によると、近く倉庫スペースの敷地を割り当てて拡張しなければならなくなるだろうということだ。

 

化学療法で免疫力が低下した子どもにとって手狭な病棟環境は良いものではないと親たちは不満を漏らしているが、しかし、それと同時にもし病院が入院を制限することになれば、多くの子供達が入院させてもらえなくなることも親たちはわかっている。

 

4へと続く
前回の記事 http://jcf.ne.jp/wp/archives/4504

ページトップへ
  • チェルノブイリ
  • 福島支援
  • イラク支援